47 学園創立記念舞踏会の日
それはある日の学園での事だった。
「アルメリア様は次の舞踏会には参加されるのですか?」
そう問いかけてくるのは彼女の配下の一人であるアークスだ。その隣には彼の双子の妹であるアミィの姿もある。
「ああ、そう言えばそんなものもありましたわね」
アルメリアからすれば舞踏会には興味がなかった為、聞き流していたが、そんな話が先日出ていた気がする。
しかし、前の舞踏会の時は新入生は参加を強制されていた為に覚えていたが、今回に関しては強制参加ではなかった為、参加するつもりもなかったので、完全に頭の中から消えていたのだ。
「興味が湧かなかったので忘れていましたわ」
「それではアルメリア様はあの噂もご存知ですか?」
「噂とは何の事かしら?」
「なんでも、生徒会長であるウィリアム皇子が次の舞踏会の場で重大な発表を行う予定だとか。だからか、皇子は学園の生徒達に舞踏会の参加を促している様ですよ」
アミィのその言葉を聞いたアルメリアの脳裏に何故か嫌な予感が過ぎり、思わず頭を押さえた。
「アルメリア様、どうされたのですか?」
「いえ、なんでもありませんわ」
アルメリアはそう言うが、脳裏にある嫌な予感は消える事はなかった。
すると、そんな時だった。
「アルメリアさん達、何やら面白そうな話をしていますね」
そう声を掛けてきたのは教師であるアイシャだった。彼女はアルメリア達の担任教師の為、ここにいるのは不思議ではないが、それでもこのタイミングで声を掛けてくるとは思わなかった。
「あら、アイシャ先生、一体どうしたのですか?」
「いえ、あなた達が面白そうな話をしていたので」
そう言いながら、アイシャは笑みを浮かべている。
「そう言えば、アイシャ先生は次の舞踏会について」
「ええ、知っていますよ。詳しい説明をしましょうか?」
「お願いいたしますわ」
そして、アイシャは説明を始める。
次の舞踏会は学園の創立記念日に開かれる。その為、時折行われている学園の舞踏会の中でも特に盛大に行われるとの事だ。
更に、その舞踏会に関しては生徒会長であるウィリアムが参加を促している為、アルメリアが参加したあの舞踏会に匹敵する参加を見込んでいるそうだ。
「なので、重大な発表とやらを行うには最適な舞台かもしれませんね」
「なるほど、そうでしたのね」
そこまで聞いたアルメリアはある事を決めた。
「二人とも、次の舞踏会にはわたくしも参加しますわ。あなた達もお供なさい」
「「分かりました」」
そして、二人はアルメリアの言葉にそう返事を返した。
そんなやり取りから数日後、遂に学園創立記念の舞踏会の日が訪れた。
「さて、行きますわよ」
「「はい」」
そして、アルメリアがアークスとアミィを供に連れて舞踏会が開かれている会場内に入ると、そこは沢山の学生で溢れかえっていた。
参加人数で言えば、彼女が前回参加した舞踏会を少し上回る程だろう。
それから少しすると舞踏会場の中央に生徒会長であるウィリアムが現れた。
「これより、学園創立記念の舞踏会を始める!!」
どうやら今回の舞踏会ではウィリアムが始まりの言葉を述べる様だ。
「だが、その前に皆の前で発表しなければならない事がある。
それは私の婚約者であるナターシャ・アクトレイテに関してだ!!」
しかし、彼の言葉を耳にしたその瞬間、何故かアルメリアの脳裏には猛烈な嫌な予感が過ぎった。
だが、そんな彼女の内心を知ってか知らずか、彼は言葉を続けた。
「ナターシャ・アクトレイテ、お前との婚約を破棄させてもらう!!」
そして、ウィリアムはその決定的な言葉を口にするのだった。




