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79 呼び出し

あまりの衝撃に頭が真っ白になっていると、後藤隊長あてにどこかから内線がかかって来たらしい。


「修太朗さん、棚橋副部長がお呼びです。今から副部長室に来て欲しいそうです」

「副部長室ですか?」

「そうです。副部長の部屋わかりますか?」

「いえ、わかりません」

「それじゃあ、大仁田君お願いできる?」

「おっけ~っす。じゃあ行きましょうか」


なんで俺が副部長室に?

なにかやらかしたか?

いや、ほぼ間違いなく花岡修太朗40歳独身彼女無しの件だな。

メインチャンネルでどうでもいいことを世界に向かって発信してしまった責を負わされるのか。

せっかく入社したのにまさか、免職とかはないよな。


「大仁田さん、副部長ってどんな方ですか?」

「俺もそこまでよく知らないっす。たまにしか会う事ないんで」

「そうなんですね……」


大仁田さんに連れられるまま副部長室へと向かい、流れのまま副部長室の中へと案内されてしまった。

躊躇する間もなく中に入ると、初対面だけど、棚橋副部長と思しき男性が座っていた。

棚橋副部長が笑顔で話しかけて来てくれた。


「いや~花岡君、昨日は大活躍でしたね~」

「はい、ありがとうございます」

「僕も配信でみてましたよ」

「恐縮です」

「ところで、花岡さんが世界トレンド1位だそうですね」

「……そのようです」

「世界の花岡ですね」

「恐縮です」

「防衛機構としても、こういった形で世間の関心を集める事は非常に好ましい事です。今後の活躍に期待していますよ」

「恐縮です」


これって、何かしらの処分を受けるものだとばかり思ってたけど、そういう感じでもなさそうだ。


「花岡さんは、強さも一級ですね。まさか、あのゴブリンキングを1人で倒してしまうとは」

「いえ、あれは大きいだけのゴブリンですから、強いとかそういうのではないかと」

「ほう、あれを大きいだけのゴブリンですか。流石は花岡さんですね。将来の英雄は言う事が違いにほとますね」

「英雄⁉︎ とんでもないです」

「いやいや、昨日の配信をみてしまうと、そう思えてなりませんよ」

「恐縮です」


副部長まで、後藤隊のメンバーと同じように褒めてくれる。

完全なる誉め殺し。

防衛機構はみんな誉め殺しのプロだ。


その後、後藤隊はどうか? とか新しい生活には慣れたかとか、いくつか質問されながら会話を重ね、最後までお褒めの言葉をいただきながら解放された。


「終わった」


人生終わったとかじゃなく、普通に終わってよかったけど、いまいちなんで呼ばれたのか分からなかった。

世間の関心を集めたことを好ましいと言ってくれていたけど、40歳独身が注目を集めて果たして防衛機構のイメージアップとかにつながるだろうか。

正直全くそうは思えない。

だけど、取り合えず怒られたりはなかったし、このまま勤務を続ける事が出来そうだからよかった。

それに、棚橋副部長に褒めごろされているうちに、逆に冷静になる事ができた。

まあ、最初はビビったけど世界トレンド1位って言っても所詮はネットの中の出来事だし、瞬間風速的なものだろうから、今だけだ。そんなに気にすることもないか。

それよりも今日のダンジョン探索も張り切っていこう。

読者の皆様へお願い


ここまで読んでくれてありがとうございます。皆さんの応援が続きを書く力になります。

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i947131
― 新着の感想 ―
[一言] これだけ周りからゴブリンキングの話されても勘違いに気付かないって、人の話聞かずに自分の価値観でしか判断出来ないヤバい奴じゃん。
[一言]  野心家の上司とかだったら娘や子飼いの部下との見合いとか勧めてきそうだな。  利益誘導のカネと趣味でのコネとハニトラの女は、いつの世でも権威主義者が使う取り込みの定番手段。  日本の場合…
[一言] 研修の名のもとにより強い敵がいるところに出張させられそうだな。
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