55 インタビュー2
「花岡さん、歩きながらインタビューいいですか?」
「インタビュ―ですか?」
喜田さんに突然インタビューと言われて少々面食らってしまう。
いくら新人でも、俺のインタビューに需要があるとは思えない。
だけど少しでも皆さんの役に立てるなら受けないという選択肢はないので当然了承する。
「花岡さんのご趣味は?」
「趣味ですか? 特には……」
「好きな食べ物は?」
「焼き鳥ですかね」
「ご結婚は?」
「え~っと、恥ずかしながらしたことがないです」
「タイプの女性はどういった」
「いえ、自分は選べるような立場ではないので」
「それは、女性から選んでもらえれば特に条件はないということでしょうか」
思ってたインタビューと違う。
結構、俺の痛いところをえぐってくる。
「それはもちろんですが、そんな奇特な女性はなかなかいないかと」
「そうですか。そうでもないと思いますけど、花岡さんは今流行の無自覚系というやつでしょうか」
「無自覚系ですか? いや、どうでしょうか。自分ではよくわかりませんが」
無自覚系? そんなのが今の流行なのか? そもそも何を自覚していないのかよくわからない。
「視聴者のみなさん、ということのようです。無自覚系大型新人花岡修太朗隊員のインタビューでした。次回のインタビューもお楽しみに」
え? またインタビューがあるのか? しかもお楽しみにって、今のインタビューのどこにお楽しみ要素があったんだ?
“きゃ~修太朗様~”
“ここにいます。ここにいますよ~”
“どこにお見合い写真おくればいいですか?”
“修様~今すぐあなたのもとに参ります”
“いまのマジか?”
“あの感じキャラじゃなさそうだな”
“きた~無自覚系イケオジ”
“ごちそうさまです”
“いや、配信であれはズルい”
“女性票がやばいことになるんじゃ”
“独身なのか。これは人気出るわ”
“つぎはもっと核心ついて~”
“ナイス桜花ちゃん”
「隊長、同接もうすぐ190万いきそうっすけど」
「ふふっ、すごいですね。この隊の新記録じゃないですか?」
「いや、でもインタビューですよ。モンスターとの戦闘ですらないのにすごすぎっす」
「そうです。花岡さん数字持ってますね」
「まだまだですよ~。花岡さんの魅力はこれからですから~」
「そうですよね。まだ二日目ですから。でもまじめな話なんであの人独身なんだろ。わからんすね」
「花岡さんですから」
「そうですね。まだまだ謎多き人ですね」
初めての事ばかりで戸惑うことも多かったけど2日目も、皆さんのサポートもあり順調に進むことが出来た。
まあ、本来後藤隊は11階層まで進んでいるそうなので、完全に俺のペースに合わせてくれている状態だ。
俺が慣れるために、モンスターを譲ってくれることも多く本当にいい経験を積ませてもらっている。
配信もあるし皆さんの出番を奪っているようで心苦しい気持ちもあるけど、今は皆さんの好意に甘えておこうと思う。
本当に隊の皆さんには感謝だ。
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