表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/193

53 犬には風

2階層を大仁田さんの先導で進んで行く。

今のところそう1階層と違いはない。

唯一違うのはスライムがいなくなったことだろうか。

モンスターもいないので自分たちの足音だけが響き渡る。

静かだ。

みんながいてくれるので大丈夫だけど、一人この静けさを進むのは怖いな。


「花岡さん、敵です」

「はい」


先頭を歩く大仁田さんがモンスターの出現を知らせてくれる。


「ウルフハウンドっぽいです」


ウルフハウンドというくらいだから狼か犬っぽいモンスターか。


「隊長、どうしますか?」

「そうですね。花岡さんやってみますか?」

「え? 俺ですか?」

「はい。もし危ないようなら私が責任をもってフォローしますから。それに花岡さんなら大丈夫だと思いますし」

「そうなんですね。わかりました、やってみます」


後藤隊長がここまで言ってくれてるんだからきっと問題ないんだろう。

犬だしそこまで怖いモンスターではないのかもしれない。

いや、モンスターじゃなくても犬は苦手だけど。


“おおっ、いきなり修太朗”

“ウルフハウンドはスピードあるし結構手ごわいぞ”

“湊隊長スパルタ”

“いや、ゆっても勇者だし”

“聖剣がうなるか”


耳をすませば複数の唸り声が聞こえてくる。

慎重に進んで行くと大型の狼っぽいモンスターが姿を現した。

大きい。

完全に犬の範疇は超えている。

それに野性的な風貌は犬というよりも完全に狼寄りだ。

初めてのモンスターを前に緊張感が走る。

巨大なウルフハウンドを見て、あの時の事がフラッシュバックする。

変な汗が流れ落ちる。

しかも、あの時の犬と比べてもはるかに大きく、凶暴に見える。

いや、大丈夫だ。後藤隊長がいけるって言ってたしダメなら後藤隊長が助けてくれる。


「ふ~っ、行きます。「その翼は敵を裂き、その吐息は空を穿つ。幾千の刃を纏いしその気高き咆哮を敵に示せ『ウィンドスピア』」


俺の選択は風の初級魔法。

おそらくは敵モンスターはスピード型。

なんとなく剣でもいける気もするけど、恐怖心もありスピードに優れた風魔法を放つ。

風の槍が目の前で唸りを上げるのが聞こえてくる。

慎重に魔力量を調節し風に乗せ開放する。

解放された風の槍がウルフハウンドの身体を貫く。

続けざまに風の槍を発動し、残りのハウンドに向け順番に放っていく。

魔法のすごいところは、初心者の俺が放っても狙いを付けたところへ寸分狂いなく命中してくれるところだ。

やはり風を選択したのは正解だったようだ。

大型のウルフハウンドに緊張したけど思ったよりあっさりと倒すことが出来た。

昨日小谷さんが使っていたので真似をさせてもらったんだけど、問題なく発動できてよかった。

風魔法は学校で一度も使ってなかったから、ちょっと心配だったけどぶっつけ本番で上手くいった。


【読者の皆様へお願い】


いつもありがとうございます。

皆様のブックマークと☆ポイント評価で作者のモチベーションが保たれています。

興味を持たれた方は是非ブックマークとスクロールして下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にお願いします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i947131
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ