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25 卒業試験の始まり

発動してみるのは、前回俺が的を壊してしまった『ファイア』だ。


「この現世に住まう精霊よ、我が盟約に従いここにその力を示せ。原初の炎よ舞い踊れ! 『ファイア』」


詠唱が終わると同時に一気に的が燃え上がる。

ヒヤヒヤしながら的を注視するが、しばらくすると炎が収まり魔法が消失した。


「できた」

「花岡さん、お見事です。まだ威力が強い節は見受けられますが的も燃え尽きることもありませんでしたし合格です」

「ありがとうございます!」


やった!


この日、俺はついに魔法を使うことができた。

最初にファイアを使ってから長かった。あれから二ヶ月半、魔法をちゃんと使えるようになってよかった。

危なかったけど、どうにか卒業試験を迎えられそうだ。

これで、防衛機構に入っても爆死エンドは迎えずに済みそうで心の底から北王地さんへの感謝が湧いてきた。

             

            §


俺が魔法を使えるようになった三日後に卒業試験が行われた。

初日に筆記試験がみっちり五時間。

  記憶力が落ちたとはいえ、みんなが実技に勤しんでいた時間俺はずっと魔法書を読んでいた。さすがにこの試験を墜ちるわけにはいかない。

しっかりと準備して臨んだ試験は問題なくほとんどの項目を答える事が出来た。

合格点が分からないけど、墜ちる事はまずなさそうだ。


「オッサ~~ン」

「陣内くん、どうかしたのか?」

「俺、やっちまったかも~~」

「もしかして試験か?」

「ああ、自慢じゃないけどわかんねえとこだらけだった。これで落ちてたらうちの奥さんに殺される。やべええええ~~」


陣内くんは、あまり勉強が得意じゃないのかもしれない。


「花岡さん、どうでしたか?」

「まあ、いけたと思います。中塚さんは?」

「私も大丈夫だと思います」


正直、まじめにやってればいける内容だったんだよな。

陣内くんが心配ではあるけど、明日はダンジョンでの試験だ。

体調を整えて明日に備える必要がある。

明日は5人一組で最寄りのダンジョンに潜るらしい。

組み分けは、俺と陣内君と市川さん、それに大西さんと別所さんと一緒に潜ることとなった。

試験には学校の講師が一名付き添うことになるそうだ。


                      §


翌朝、いよいよダンジョンへと向かう。

昨日は今日に備えて缶酎ハイも封印して早く寝たので体調は万全だ。


「それでは、ダンジョンに潜りましょうか。伝えている通りこの試験に合格するためには、メンバーが欠けることなく六時間以内にダンジョンに置かれている指定の目的物を持ち帰ることです。誰かが脱落したり、目的を達せず戻るようなことがあれば、もう一度学校に通いなおしてもらいます」


卒業試験というくらいだから落ちる事もあるとは想像できたけど、もう一度通いなおしとは結構厳しい。

十代の三ヶ月と俺にとっての三ヶ月は意味が違ってくる。

絶対に合格しなくちゃいけない。


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