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24魔法

せっかく四十歳にして魔法が使えるようになって憧れの防衛機構にあと二ヶ月頑張れば入れるところまできたのに、自爆して死ぬ運命だけは避けなければならない。


「北王地さん! 早く訓練を再開しましょう。せっかく魔法が使えるようになったのに俺は死にたくありません」

「わかっていますよ。ただ、そういう可能性もあったということだけ頭に入れておいていただければ大丈夫です」

「それはもちろんです」


俺はここで北王地さんに出会えてラッキーだった。

史上2人目の大魔導士も配属とともに即爆死なんて事になったらいやすぎる。

防衛機構に入ることを決めた以上、多少の危険があることは織り込み済みだ。最悪、モンスターと戦って死んでしまうことも考えた。

ただ、自分が自爆することは想像することが出来なかった。

もちろん、そんな覚悟は出来ない。

そこから俺の集中力は今までにないほど高まり、超速で次の段階へと達した。

それは魔力の放出量の調整。

これを行うことで、実際詠唱した時に魔力を絞れば威力も減衰するらしい。

今は詠唱なしなので魔力の放出量だけに集中している。

現場では実際にあの詠唱をしながらこれを同時に意識するとなると格段に難易度が上がりそうだ。

北王地さんの指導がいいのだろう。

この場においてはそれなりに形になってきている気がする。


「やはり、花岡さんはすごいですねぇ。この二日でここまでできるとは思ってもいませんでした。ここまでできれば、もう少しで魔法を使っても大丈夫だと思いますよ」

「本当ですか⁉」


北王地さんの言葉にテンションが一気に上がる。

魔法が使えるようになる。

俺の夢だった魔法使いになれる日がすぐそこに迫っていると思うと、いてもたってもいられなくなってしまった。

それから、俺は休みの日を除いた放課後、毎日のように北王地さんに付き添ってもらい訓練に明け暮れた。

何度かクラスメイトが食事会とかに誘ってくれたけど、断腸の思いで丁重にお断りして訓練に没頭した。

若い女性が誘ってくれることなんか、俺の人生でもうないかもしれない。

まさか四十歳にして断腸とはどのような気持ちなのか身をもって知ることになるとは思ってもいなかった。

そして、没頭したおかげもあり、北王地さんとの訓練開始から二カ月。ついに魔法を使う許可を得ることができた。

ただ、魔力を流してみてわかったことだが、強く流すのは凄く楽で簡単だった。

逆に弱く調整するのは想像以上に難しく苦戦してしまった。

正直、北王地さんの「もう少し」というセリフにてっきり数日でできるようになるのかと楽観視していた部分はあったが、実際に北王地さんに認められるまでほぼ二カ月かかってしまった。


ここまで長かった……。

既に学院卒業があと十日に迫っている。

本当にギリギリだったけどどうにか間に合った。


「それじゃあいきますよ。的が燃えたらすいません」

「頑張りましたから花岡さんなら大丈夫ですよ」


北王地さんの言うことを信じる以外にはない。

この二ヶ月自分なりに頑張ってきた。

思い切って魔法を使ってみる。

もちろん思い切るのは気持ちだけで魔法は魔力の流れを集中してコントロールしながら使ってみる。


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