21 フォースの目覚め
「お願いします!」
「はい。それでは早速はじめましょうか」
あらためて北王地さんの教えを乞う。
ずっと実技から遠ざかっていたしなにをするのか今から楽しみだ。
「それじゃあ、そこに座って目を瞑ってください」
「はい」
「そのまま自分の心臓から放たれている血液の流れを意識してください。魔力の循環は血液の循環と重なっています。血液の流れを意識することで魔力の流れを意識できるようになります」
北王地さんに言われるまま、目を閉じて心臓の鼓動を感じる。心臓の鼓動を感じることはできるが、血液の流れと言われても全くわからない。
「どうでしょうか? だんだん感じることができるようになってきましたか?」
「すいません。全くわかりません」
「いやいや、最初はそんなものですよ。それじゃあ目を開けてください。ひとつ私と握手してみましょうか」
「握手ですか」
そう言うと北王地さんがスッと目の前に手を差し出してきたので、そのまま握り返す。
その瞬間、北王地さんの手から熱の波のようなものが俺の身体に向けて伝わってくるのを感じた。
「どうでしょうか。なにか感じますか?」
「はい、熱の波のようなものが押し寄せてきます」
「さすが花岡さんです。それが魔力です。今私が、花岡さんに向けて魔力を送り込んだんですよ。まずは、自分の中の血液に流れと一緒にその熱波を感じられるようになれる必要があります」
「やってみます」
再び目を閉じて心臓の鼓動を感じる。すると先程まで全くなにも感じなかったのに、心臓の鼓動に合わせて暖かい何かが身体を回っているのがうっすらと感じられる。
これが俺の魔力。
その感覚にフォーカスして意識してみる。
しばらくすると、うっすらとしていたその感覚が徐々にはっきりと感じられるようになってきた。
「花岡さん、今度はどうでしょうか」
「はい、今度は感じることができました」
「いやいや、さすが花岡さんですね」
「そんなことは……」
「実は魔力の流れを感じるのは結構難しいんです。普通一ヶ月以上かけて感じられるようになれば優秀なんですよ」
「え⁉ そうなんですか」
「そうなんです。なので花岡さんはやはり規格外です。すごいのはわかっていましたが、これほどスムーズにいくとは思っていませんでした」
「はぁ、自分ではよくわからないですが、うまくいったなら嬉しいです」
「それじゃあ、今日は今掴んだ感覚を慣らすために、この訓練を続けましょう」
「はい、わかりました」
結局この日は座ったまま魔力の流れを感じるだけで終わったが、終わる頃には意識すれば完全に自分の魔力の流れを感じられるようになっていた。
北王地さんによれば、そのうち意識しないでも自然と魔力の流れを感じているような状態になるそうだ。
魔法に関する実技での進歩を感じることができたのは、これが初めてといっても過言ではないので、素直に嬉しい。
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