常時発動
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リザードマンを相手取り陸人さんと俺で迎え撃つ。
明神隊の人達も観戦しているしいつもより気合が入る。
陸人さんも同じなのか、雄たけびを上げ戦斧を振り回しリザードマンをしとめていく。
「オオオオオオ~ッ! こい、もっとこい!」
陸人さんがモンスターの注意を引いてくれているので、俺は対処が楽だ。
注意の逸れたリザードマンへと距離を詰め、上段から首へと刃を叩き込む。
以前なら砂に足を取られていたので出足が鈍く力も乗りづらかったが『ギリスマティ』の常時発動に慣れてきたおかげで、砂場でもかなりスムーズだ。
硬いはずのリザードマンを一撃でしとめることが出来るし、すぐに次の敵へとシフトすることもできている。
この調子なら明神隊に失望されるような事態にはならないだろう。
「え~っと、説明してもらっても? さっきから見させてもらってるんですけどこれってどうなってるんですかね」
「岡西副隊長、なにかありましたか?」
「後藤隊長、何かじゃないですよ」
「うちの隊の2人がどうかしましたか?」
「大仁田はさすがです。リザードマンをものともしない強化魔法。前衛としてこれほど頼りになる奴はそういないでしょう。うちにはいないタイプなので羨ましいですよ」
「ありがとうございます。後で本人にも伝えてやってくれると喜ぶと思います」
陸人さんが2匹のリザードマンを相手取り、戦斧を振り回す。
「それより花岡さんですよ花岡さん」
「? 修太朗さんがなにか?」
「さっきからずっと見てるんですけど、彼、強化魔法使ってないですよね。強化魔法なしでリザードマンとやり合うってどうなってるんですか。彼のジョブは大魔導士ですよね」
「いえ、修太朗さんはしっかりと『ギリスマティ』を使っていますよ」
「いやいや、ずっと見てたけど、詠唱してなかったぞ。ま、まさか無詠唱⁉︎ そ、そんなバカな。それは不可能では⁉︎ いや、花岡さんならあり得るのか⁉︎」
「岡西副隊長、落ち着いてください。無詠唱ではありません。流石に修太朗さんでも無い技術は使えませんよ。常時発動です」
「常時発動……常時発動⁉︎ それは『ギリスマティ』をずっと使ってるって事ですか? そんな事が、本当に⁉︎ いったいいつから」
「おそらく5階層に踏み入れたタイミングででしょう」
「信じられん……。強化魔法の常時発動って………これじゃあ……嘘だろ」
陸人さんの相手取っている1匹に狙いをつけ砂上を走る。
すぐに距離は詰まり、背後から剣を振り下ろしリザードマンをしとめた。




