表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

184/195

おっさん心

非モテサラリーマン2 は9/19日発売決定です。

一部予約が始まっているサイトもあるようなので是非買ってください。

よろしくお願いします。

昨日は驚いた。

冗談のような話だけど、俺の実家に凛がついて来るらしい。

凛に押し切られたというか、単純に訪れた事のない静岡に来てみたいそうだ。

朝、目が覚めて、結構お酒も飲んだし一瞬夢だったのかもと思ったけど、スマホにしっかりと履歴が残っていた。

俺としては、凛がいいのであれば問題はないんだけど、問題は俺の両親だ。

帰る事も伝えておかないといけないので一応連絡を入れておく。


「もしもし? 俺だけど。えっ? 俺俺詐欺じゃないから。修太朗だって。今度の連休にそっちに戻ろうかと思ってるんだけど。うん、そう。あ〜それが1人じゃないんだ。えっ? 違う違う。同僚の子だから。うん、女の子だけど。いや、本当にそんなんじゃないから。うん、そう。じゃあ」


母親が出たけど危惧してていた通りの反応だった。

まあ、気持ちはわかる。

今まで実家に女性を連れて行ったことなんか一度もない。

そんな俺が、お正月でもないのに女性と一緒に帰って来ると連絡したらそれは勘違いもするだろう。

一応言葉ではわかったと言ってたけど、あれは絶対にわかっていない声だった。

これは、明日にでも凛には状況を伝えておいた方がいいな。


俺だって男だ。

期待はしないけど、万に一つの可能性に期待しないわけではない。

出待ちのファンの人たちを見て、もしかしてと思わなくもない。

30歳で魔法使いにはなれなかったけど40歳で大魔導士になれた。

ある意味上位職っぽいけど10年の差は大きい。

10年前に大魔導士になれていたら、千に一つくらいの確率では結婚できていたかもしれないけど、40ではな〜。

出待ちのファンの人も俺っていうより配信されるある種虚像に反応してくれているだけだし。


今1番親しいのは凛だ。

今というよりこの40年間で1番だろう。

凛は、おっさんの俺にも分け隔てなく優しい。

優しい上に若くてかわいい。

おそらくものすごくモテるんじゃないかとは思うけど、誰かと付き合っている様子はない。

誰かそういう相手がいるなら、俺と一緒に静岡に行くなんて言わない気がするけど、あれで相手が見つからないなんて事は絶対にないだろう。

俺にとってはある種別世界の人だ。

そういう意味では湊隊長とかも同じく高嶺の花という言葉がピッタリだ。

サラリーマン時代にも女性社員はいたけど、一緒に行動する時間が長いからか、その時よりもずっと距離が近い気がする。

凛が時々冗談で「結婚してあげてもいいよ」なんて言って来るものだから、あれは心臓に悪い。

表面上は平静を保っているけどあれはよくない。

冗談とはわかっていても、凛のような女性にそんな言葉をかけられて大丈夫なほど、残念ながら俺は女性慣れしていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i947131
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ