さくさく
本日4/18日 HJノベルスより非モテサラリーマン1が発売です。
地域によっては来週店頭に並びます。
電子はSS付きです。
週末のお供によろしくお願いします。
「ふううぅ~」
ゴブリンが数で来られるといちいち上段に構えていると間に合わない。
振り下ろした剣をそのまま力任せに剣を横なぎに振るう。
厳密に言えば、上段からの一振りには劣るのだろう。
ただ、ゴブリン相手にそれを実感することは難しい。
普通にあっさり斬れてしまうから。
2日間で茂田さんから教わったのは上段からの一撃のみ。
なので今のは完全に素人の我流。
それでもいけてしまう。
明らかに今までよりも剣の威力が増している。
返す刀で残りのゴブリンを順番に斬り伏せていく。
何度か剣を振るうとその場からゴブリンはいなくなっていた。
「りんたろ~すご~い。なんか剣の達人みたいだよ?」
「いや、それはない。入門して2日だから」
”修太朗やばい。渋みが増してる”
”ゴブリンが紙みたいだった”
”ちょっとまて、さっき音声拾ってた。入門2日目って剣術の事か⁉”
”いやいや、2日であれはないって。いやあるのか。修太朗だし”
”もしかしてだけど、今ならオーガキングもサクッといけたりしないよな”
”まさか。いやあるのか? あるような。あるな”
”もう一回戦ってみてくれればはっきりするんじゃね”
”バカ! おま、なに言ってんだ。ほんとに出たらどうすんだ、責任取れんのか? 出たら取れよ!”
”だいじょうぶ、修様なら”
おっ、魔石が2個もドロップしている。
今日は運がいいらしい。
ずっとダンジョンに入れてなかったし、これは普通にありがたい。
魔石を拾い上げ先へと進むことにする。
歩いていると、湊隊長が脇に来て声をかけてくれる。
「修太朗さん、剣はどこで?」
「週末、散歩の途中に道場を見つけまして無料体験を」
「上段からの一撃は見事でした。示現流の流れを汲んでいるようにも見受けられましたが、なんという道場ですか?」
「湊隊長、示現流ってわかるんですね。南辰示現流って言うんですけど、知ってますか?」
「いえ、初めて聞く流派ですね。なにかMIXしたような名ですね」
「はい、名前はあれなんですけど、すごいです。たった2日で強くなれた気がします」
「気ではなく確実に剣の腕は上がっていますよ。魔力の流れが今までとは違っています」
湊隊長に褒めてもらえるとは思ってなかった。魔力の流れの事までわかるとはさすがだ。
「修太朗さんも調子良さそうですし、このまま一気に5階層まで進んで見ましょうか」
「隊長、それいい考えです。視聴者さんももっと刺激があった方が伸びますし。さっきので100万超えてますし。今月ちょっと大きな支払いもあるんで皆さんにはがんばってほしいです」
「桜花ちゃん、なに買ったの?」
「聞いちゃいます? ここではちょっと言えませんよ」
5階層か。
あんなことがあった後だけど、ずっと足踏みしているわけにはいかない。
流石にもうあんなことは起こらないだろうから。




