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第5話 試し打ち

 「なぁ、せっかく装備揃えたんだし、その杖試してみないか?」

 「あぁ確かにそうだな、街を出てすぐのところに開けた荒野がある、そこに行くか」


 マルクとガルバンに連れられ、俺たちは荒野へ向かった。


 荒野に着いてマルクとガルバンは俺から距離を置いた。


 「フィンの魔法初めて見るな」

 「あぁそうだな、こんだけ装備を揃えてやってヘッポコな魔法見せてきたらパーティー即追放だな」


 (まぁ特級魔法はバレるだろうが、上級魔法を少し強めに打つくらいでいいだろ・・)

 俺は上級魔法のメテオを放つことにした。


 「よし、あの木を目掛けてと、メテオ!」



 (ゴゴゴゴゴゴゴ・・・)



 「え?」

 「ま、まじかよ・・」


 なんだこれ、俺が打ったのは上級魔法のメテオのはずだ。

 無数の炎の球が対象に降り注ぐ魔法だ。

 どうなってんだこれ、こんな巨大な隕石が落ちたら、近くの街まで被害を受けちまう。

 自分の魔法で焦っている俺の姿を見てマルクは隕石の下に瞬時に移動した。


 「スタースロワー!!」


 マルクが剣を振った軌道がキラキラと輝き、巨大な隕石をバラバラに切り裂いた。

 それを見てガルバンもマルクの元に移動した。


 「インフィニティシールド!!」


 落ちてくるバラバラの隕石の起動に合わせ、無数のシールドが隕石を粉々に砕いた。


 ふたりのおかげで特に被害は出なかった。さずがは勇者パーティー。


 「ばかやろう!!こんな町の近くで特級魔法を使うなんて頭おかしいのか!!!」


 ガルバンは怒っていた。


 「いいじゃないか、合格だ、というかメテオって唱えなかったか?メテオって上級魔法だよな?」


 やはりマルクは鋭い。


 「すまないふたりとも、今までCランクの武器しか使ってこなかったから加減が分からなくて・・俺が打ったのは特級魔法のグランドメテオだよ!ははッ」


 謝るとガルバンはすぐに許してくれた。

 マルクもなんとか納得した様子。

 とはいえ、これで本当に特級魔法を打っていたらどうなっていたんだろうか。

 考えるだけで恐ろしい。


 「フィン本当にAランク?特級魔法を使えるAランクなんて聞いたことないよ」


 痛いところをついてくる。


 「Aランクだってば~!ランクを隠す必要なんてないだろ?」

 (ここまで来たら隠す必要もないかもしれないが・・でもザラと戦うわけにはいかないし、どうしたものか)

 「まぁ確かにそうだな、よし、君にこれを託そう」


 そう言ってマルクは俺に金のメダルの様なものを出して、俺の腕に押し当てた。

 押し当てた場所には入れ墨のような模様が浮かび上がった。


 「なにこれ?」

 「これは勇者パーティーに授けられる魔道具だ」

 「魔道具?」

 「あぁ、この刻印があればもし離ればなれになった時でもすぐに仲間のところへ導いてくれるんだ」


 やっかいなものを貰ってしまった。

 その後マルクはなにやら鞄の中身を覗いていた。

 俺たちは街に戻り昼飯を食べながらこれからの事を話した。


 「あとはヒーラーだな」

 「あぁ、他にもSランクがこの街にいるはずだね、まずはそいつを探そうか」


 この街にいるはず?


 「なんでこの街にSランクがいるってわかるんだ?」

 「勇者は王からこれを授かるんだ」


 そう言ってマルクは鞄から黄色い球状の魔道具を取り出した。


 「これは魔力サーチャーというものでSランクが近くにいる場合は黄色く光り続けるんだ」

 「でもマルクもガルバンもSランクだろ?自分たちに反応しているんじゃないのか?」

 「あぁ、これだよこれ」


 マルクは腕の刻印を見せた。


 「この刻印があるものは魔力サーチャーに引っかからないんだ」

 「あー、そうゆうことかぁ」


 危なかった。

 もしこの街にSランクが俺以外いなかったら、俺がSランクだってバレてたってことか。

 (マルクの野郎、俺を諮ったな・・)

 でもこれは逆にマルクからしたら俺がSランクだという線も薄くなったはずだ。


 「よし、腹ごしらえも済んだしSランクを探しに行くか!」

 「えーそれは明日からでよいよー」

 「お前ってやつは・・!!」

 (あ、やばいこれまた喧嘩になるやつだ。)

 「ガルバンごめん!俺もこの後用事があるんだ、すまないが明日にしてもらえるか?」

 「フィンがそういうならまぁ良いだろう・・」


 危なかった。

 また店で暴れられちゃかなわない。


 「じゃあ今日はこれで解散ってことで!」

 「あぁそうだな、明日も同じ時間に中央広場集合でいいか?」

 「了解!」


 俺はひとまず宿に帰ることにした。

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