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第22話 不思議なお店

 扉を開くと小さな部屋があった。

 部屋は薄暗く、壁に魔道具がびっしりとかけてある。


 「うわー!すごい!!見たことない魔道具ばっかり!」


 魔族のマナはこの大量の魔道具のせいだった。


 「これなんの魔道具ですかねー?」


 ルイは丸いガラスの中に水が入ったような魔道具を手に取った。


 「それは惚れ薬だよ」

 「キャッ!」


 パリーンッ


 黒いローブを着たおばあさんがルイに話しかけ、それに驚いたルイは魔道具を落とした。


 「あーあー、なにしてんだい」

 「ご、ごめんなさい!」


 ルイはおばあさんに頭を下げた。


 「弁償してくれれば何も問題はないよ」

 「もちろん、弁償させていただきます!」


 おばあさんは手を伸ばして言った。


 「200万」

 「に、200万!?」


 ルイは焦っている。

 俺はおばあさんに話しかけた。


 「なんでそんな高いんだ?というかここはなんなんだ?」


 おばあさんは90度くらい首を傾げた。


 「この惚れ薬は飲ませた相手を惚れさせて一生言いなりにできる薬なんだ、妥当な金額だよ」

 「そんな薬違法だろ・・」

 「それとここはなんだとはなんだい?わかっていて入ってきたんだろ?」

 「いや、この子が本に触ったら開いて・・」


 おばあさんはルイの顔に自分の顔を勢いよく近づけた。


 「な、なんですか!」


 ルイは怖がっている。


 「お前さん、マナが見えるね?」

 「は、はい」


 おばあさんは少し機嫌が良さそうだった。


 「ということはあんたら人間かい」


 おばあさんは笑いながら言った。


 「そ、そうですけど」

 「そうかいそうかい、ここは魔族専用の魔道具店だよ」

 「魔族専用!?」

 「あぁ、人間界で人間に紛れて暮らしている魔族が利用するお店」

 「そんな・・」

 「よし、これはプレゼントだよお嬢ちゃん」


 そう言っておばあさんはルイに木彫りの人形を渡した。


 「え、なんですかこれ?」

 「クックック、その内わかるよ、ちゃんと持っておくんだよ」

 「は、はい・・」

 「あぁ、人間に場所がバレちゃもうここにはいられないねぇ」


 そう言っておばあさんは指を鳴らした。

 すると店が歪み始めた。

 どんどん歪み、目の前が真っ暗になった。

 気付くと、俺とルイは魔道具店の本棚の前にいた。


 「今のは!?」

 「ルイ、怪我はないか?」

 「大丈夫です!あ、本のマナが消えてる!」

 「たぶん引っ越したんだな」

 「怖かったぁ・・」

 「まさか魔族の魔道具店があるなんてな」

 「あ!惚れ薬のお金払ってない!!」


 俺とルイは店を出た。


 「お腹すきましたね・・」

 「あ、ルイは朝食食べてないのか」


 朝のことを思い出してルイに睨まれた。

 俺とルイは近くで見つけた喫茶店に入り昼食を済ませた。


 「お、おいしかったな」

 「そ、そうですね」


 俺もルイもどうしても王宮のご飯と比べてしまう。


 「さて、今度はフィン様の行きたいところへ行きましょう!」

 「んー俺の行きたいところかぁ・・あ、服屋!」

 「お、良いですね!」

 「フィン様のお洋服すごくオシャレですけど、お好きなんですか?」

 「いや、俺この服ひとつしか持ってないんだ・・」

 「えっ・・!?」

 「ルイとデートする時にバールヘヴンで作ってもらったんだよね・・」


 ルイは少し申し訳なさそうな顔をしていた。

 そうして服屋に向かうことになった。

 服屋を探して歩いているとなにやら見覚えのある看板があった。


 【服屋ポッポ】


 「これはッ!」

 「どうしたんですか?」

 「いや、俺の服はこの店で仕立ててもらったんだ」

 「ポッポ・・」

 「バールヘヴンの時はAランクの裁縫師がいたんだけど」


 立ち話をしていると店からおじいさんが出てきた。


 「いらっしゃいませ、服屋をお探しですか?」


 それを見て俺は目を疑った。


 「おじいさんッ!」


 服屋のおじいさんは首を傾げている。


 「え、バールヘヴンの時のおじいさんですよね?」

 「いえ、私はバールヘヴンに行ったことはありませんよ」

 「双子とかですか?」

 「いえ、私は一人っ子です」

 「バールヘヴンのポッポと同じお店ですよね?」

 「バールヘヴンにもポッポがあるんですか?偶然ですねぇ」

 「えぇ・・」


 俺はひとまず店に入った。


 「おじいさん、Aランクの裁縫師でしょ」

 「なぜそんなことが分かるのですか?」

 「バールヘヴンにも全く同じ店があって、まったく同じ人がいるからね」

 「不思議ですねぇ」


 このおじいさんはしらばっくれているが、バールヘヴンから移動してきたのだろうか。


 「本日はどのような服をお求めで?」

 「お任せで5着ほど欲しいんだ」

 「かしこまりました」

 「ルイは?」

 「いえ、わたしは大丈夫です!」

 「おじいさん、この子の服も1着お任せで作ってくれるかな?」

 「かしこまりました」

 「えッ・・私そんなお金・・」

 「では体のサイズを測らせていただきます」


 おじいさんはメジャーで俺とルイのサイズを測った。


 「ありがとうございます、では出来上がるまで少々お待ちくださいませ」

 「よろしくお願いします」


 おじいさんは店の奥へ消えていった。

 俺が店内の椅子に腰かけると、ルイが言った。


 「まだなにかあるんですか?」

 「ん?なにが?」

 「いや、フィン様が腰かけたので・・」

 「あぁ、服が出来るのを待っているだけだよ、たぶん1時間くらいで出来上がるんじゃないか?」

 「えッ!?」

 「まぁ待ってみよう」

 「は、はい・・あと私お洋服を仕立ててもらえるようなお金を持っていなくて・・」

 「もちろん俺が払うよ、お試しにね!」

 「いや、そんな高価なものいけません!」

 「大丈夫、ビックリするほど安いから・・」


 ルイは半信半疑で俺の隣に座った。

 1時間後、おじいさんが戻ってきた。


 「大変お待たせいたしました」


 おじいさんの早さにルイは目をまんまるにして驚いている。


 「一度すべてご試着お願いします」


 俺とルイは試着室に行き、仕立ててもらった服に着替えた。


 「えぇ!!フィン様、このお洋服すごく可愛いです!!」

 「よし、どれも完璧だ!!」


 サイズもすべてピッタリだった。


 「おじいさん、ありがとうございます」

 「いえいえ、お気に召したようでなによりです」

 「あ、お代はいくらですか?」

 「62万ゴールドになります」


 俺はルイにバレないようにお会計を済ませた。

 そして店を後にした。


 「フィン様、こんなに上等なものを買っていただいてありがとうございます」

 「ルイが喜んでくれてよかったよ」


 俺とルイは満足して王宮へ戻った。

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