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第12話 ピリオネ山

 「おはよ〜」

 「おはようフィン」

 「おはよう」

 「あれ、ガルバンは?」

 「まだ来てないね〜」


 あの真面目なガルバンが遅刻するとは珍しい。


 「みんなー!!」

 「お、ガルバンおはよ」

 「俺の剣と盾知らないか!?」

 「知らないけど・・もしかしてなくしたのか!?」

 「いや、昨日の夜部屋に持って行ったはずなんだが朝起きたらなくなっていた・・」

 「えっ」


 みんなの視線が一斉にノアの方を向いた。


 「わたしじゃないわよ?」

 「どうしても行きたくなかったのか?」

 「わたしは盗みなんてしないわ、行きたくなければ行かないだけよ」


 これから出発という時になくなるなんて。


 「ガルバン、部屋の鍵はちゃんとかけたのか?」

 「あぁかけたと思ったが、今朝確認したら開いてたんだ!」


 俺たちは宿の主人のところへ向かった。


 「おはようございます」

 「おはようございます皆様、よく眠れましたかな?」

 「はい、おかげさまで」

 「それは何よりです」

 「主人、この宿って俺達以外に宿泊客は何組いますか?」

 「3組いますが、2組は先程チェックアウトされました、もう1組はまだまだ部屋におられるかと」

 「その人たちの部屋を教えてください!」


 主人も付いてきてくれるらしく、マルクとノアを受付に残し、残りの1組の部屋へ向かった。

 部屋の前でガルバンがノックした。


 コンコンッ


 ・・・


 コンコンコンッ


 ・・・・


 ゴンゴンゴンッ!


 ガチャ


 「うるせぇなぁ!!!!」


 中から若い男が出てきた。


 「すまんな朝早く、俺の剣と盾知らないか?」

 「知らねぇよデカブツが!」

 (ガルバン、堪えろ・・)

 「へ、部屋に置いていたんだが朝起きたら無くなっていたんだ、心当たりないか?」

 「知らねぇっつってんだろ!俺は眠てぇんだよ!早く出てけボケ!!」


 ブチッ


 (あ、やばい)


 「てめぇが盗んだんだろうがぁぁあ!!」


 バンッ!


 ガルバンは男をぶん殴った。

 殴られた男は部屋の中に吹っ飛んで行った。


 「俺の武器返しやがれ!!」


 ガルバンは男の胸ぐらを掴み、また殴る準備をしている。


 「ほんとに知らねぇんだって!ほらこの部屋見てみろよ・・!」


 男は半泣きだった。

 周囲を見渡したが確かにガルバンの武器はなかった。


 「本当に盗んでないんだな?」

 「本当だって言ってんだろうが!脳みそまで筋肉で出来てんのかよ!!」


 ゴンッ


 ガルパンに殴られ、男は気を失った。

 結局ガルバンの武器は見つからなかった。

 俺とガルバンと主人は受付へ戻った。


 「上からすごい音がしたけどどうしたんだい?」

 「あぁ、ガルバンが知らない男殴った音だ」

 「またか、君は本当に短気だな〜」

 「んで、どうする?」


 ガルバンは力こぶを見せつけながら言った。


 「このまま行くぞ!!」


 今回のクエスト内容的には問題ないだろう。

 さすがガルバンだ。


 俺たちはそのまま出発し、険しい山道を登った。


 「山頂付近の山小屋ってここだよな?」

 「ここだろうね」


 目的地に到着したがアイスウフルはいない。


 「狩りに出かけてるんだろう、ひとまず山小屋に入ろう」


 マルクの指示で山小屋で待機することになった。

 山小屋で暖炉に火をつけ、休憩した。


 1時間ほど待ったが未だにアイスウルフは現れない。


 「このまま明日も明後日も現れなかったりしてな」

 「そんときはこっちから探しに行ってやるわ!」


 そんな事を話しているとき、ノアが言った。


 「静かに」


 ノアは耳を床につけている。


 「きた」


 ドタドタドタドタッ


 俺たちは外に出た。

 すると山頂からアイスウルフの群れがやってきた。


 「おいおいまじかよ」


 聞いていた話と違いアイスウルフは100匹程度いた。


 「どうする?」

 「俺に任せとけ!」


 ガルバンは目を瞑り全身に集中した。


 「特級魔法 アキレウスの鎧!!」


 魔力で出来た大きな鎧が装備された。


 「デフライズ、アタクマ」


 それに合わせてノアが防御力と攻撃力の強化魔法を唱えた。


 「うおおぉぉおお!!」


 ガルバンはアイスウルフの群れに突進した。


 その勢いで半分以上のアイスアルフが消し飛んだ。


 「よし、俺たちも!」

 「メテオ!」

 「スタースロワー!」


 ほとんどのアイスウルフが倒され、残り数匹になった。


 「よし、あと少しだ!」


 最後のアイスウルフを倒そうとした時、突然、大地が揺れ、吹雪が吹き荒れた。


 「なんだこれ!」

 「前が見えない!!」


 「フレイムタワー」


 ノアは視界の回復と体温を上げるため、上級魔法のフレイムタワーを放った。

 炎の柱が上空へ立ち昇る。


 「うそだろ・・」


 俺たちは信じられない光景を目にした。


 「アイスドラゴン・・」


 空に巨大なドラゴンが出現した。

 アイスドラゴンはこちらに向かってブレスを吐いた。


 「マルチバリア!!」


 俺は4人分のバリアを何重にも重ねた。

 なんとか防ぎきれた。

 アイスドラゴンはAランクパーティーがまともに戦っても勝てない最大級のモンスターだ。


 「この吹雪じゃ不利だ!一度引くぞ!!」


 俺たちは一斉に走り出した。

 マルクが後ろを振り向いて言った。


 「ノアちゃんは!?」


 ノアは腰が抜けて震えながらその場に座り込んでいた。

 アイスドラゴンがノアのもとへ向かってきた。


 「ノア!!」


 どうやっても俺の魔法じゃ間に合わない。


 「タラリア!」


 マルクの靴に魔力の翼が生えた。

 その瞬間、マルクはアイスドラゴンの目の前へ移動していた。


 「特級魔法 聖剣アスカロン!」


 マルクが天に向け手を掲げた。

 すると眩い光を放つ巨大な聖剣が現れた。

 マルクはアイスドラゴンに向け、聖剣を振り下ろした。

 聖剣は直撃し、アイスドラゴンは真っ二つになった。


 「ノアちゃん、怪我はなかったかい?」

 「は、はい・・」


 マルクは俺が思っているよりずっと強かった。

 さすがは勇者だ。

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