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第11話 初めての戦闘

 「おはよー」


 俺が宿の下に降りると既にみんな待っていた。

 そして馬車が1台。


 「よし、行くか!」


 馬車は運転手付きの馬車だった。

 きっとマルクが手配してくれたのだろう。


 「今回運転手を務めさせていただきます。ウィードと申します。勇者パーティーに同行できるとは光栄でございます。3日間よろしくお願いいたします。」


 運転手は30歳くらいの男だった。


 「では皆様、馬車にお乗りください」


 俺たちは馬車に乗り、出発した。

 しばらくして俺は運転手に話しかけた。


 「なぁ、運転手さん」

 「なんでしょうか?」

 「この道って盗賊とかいないの?」


 馬車での移動中に盗賊に襲われるのはお決まりだ。


 「はい、盗賊は街と街を繋ぐ道をターゲットにします。この道は街から山への一本道の為、盗賊はいないかと思われます。」


 山へ向かう人間から物を取るより、商人の馬車を襲った方が良いもんな。

 もちろん道中にモンスターは現れるが、今回は安全なクエストになりそうだ。


 「最初誰が見張りする?」

 「・・・」

 「じゃあ俺やるよ・・2.5時間交代な!」


 底辺ランク冒険者の場合、道中にモンスターが現れた時は一度馬車を止めてパーティー全員で戦闘を行うのが普通だ。

 だがBランク以上の冒険者は、見張り役を決め交代で見張り、弱いモンスターが出た場合もひとりで倒すことが多い。


 ゴトゴトゴトッ


 しばらく馬車に揺られ見張りをしていると、前方に10匹程度のゴブリンを発見した。


 「おっ、ゴブリンの群れか」


 ギョエェェェェェ!


 ゴブリンたちはこちらに気付いたようだ。


 「よし、ウィンドカッター!」


 シュッパパパパンッ


 ゴブリンたちが真っ二つになった。


 「フィン様、お見事です」

 「ありがとう、ウィードさん」


 運転手のウィードさんは30歳とは思えないほど落ち着きがあり、ベテラン感がある。


 「そろそろ交代の時間だな、ガルバンー交代だぞー」

 「よーし、フィン寝てていいぞ!」


 俺は見張りをガルバンに交代して馬車内へ戻った。

 馬車内ではマルクは寝ていてノアは何か読んでいた。


 「ノア、何読んでるんだ?」

 「魔導書」

 「魔導書?なにか覚えたい魔法でもあるのか?」

 「光属性の魔法について調べてる」

 「光属性?光属性の魔法なんて一部の聖者か勇者くらいだろ」

 「だから調べてる。今回のクエストは仲間に勇者がいるから」

 「真面目だな・・」


 この世界には基本的に、火、水、地、雷、風の5つの属性魔法がある。

 そして、一部のものにしか使えない光属性と闇属性がある。

 ちなみに闇属性は魔族にしか扱えない。

 というか魔族の攻撃はすべて闇属性だ。

 もちろん半分魔族である俺も闇属性の技は使えるが、魔族だとバレてしまうので城を出てから一度も使っていない。


 「ねぇ、みんなの使う技をすべて教えてくれない?」

 「あー、俺が知ってるのはマルクのスタースロワーとガルバンのインフィニティシールドくらいなんだ、他は知らない」

 「本当に大丈夫なの?このパーティー」

 「心配しすぎだって、今回のクエストはCランクだぞ」

 (確かにまだマルクとガルバンと一緒に戦った事はないな。ふたりは連携できてそうだけど)


 しばらくしてガルバンが馬車内に向けて言った。


 「前方にオークが6体だ!戦闘準備!」

 「了解!」


 俺は寝ているマルクを起こして馬車を降りた。

 勇者パーティーの初めての戦闘だ。


 「デフライズ、オートヒール」


 ノアの魔法でガルバンの防御力が上がり、自動回復が付与された。

 それと同時に一斉にオークが突っ込んできた。


 「グランドウォール!」


 地面から出てきた大きな壁がガルバンを守った。


 「メテオ!」

 「ライトニングシャワー!」


 空から無数の隕石と光の矢が降り注ぐ。


 ヴァァァァ!


 「よし、片付いたな」


 ピュッ


 林の中から一体のオークがノアの方へ突進した。


 「バリア!」


 俺のバリアがノアを守る。

 そこにマルクが来て最後のオークを突き刺した。


 「ノアちゃん怪我はない?」

 「ええ、大丈夫です」


 ノアは少し震えていた。

 俺たちは馬車へ戻った。


 「なぁノア、なにがそんなに怖いんだ?」

 「・・・」

 「俺が昨日ノアにメテオを放った時はそんなじゃなかっただろ、どうしたんだ」

 「モンスターが怖いの」

 「モンスターが怖い・・か、もしかして親でも殺されたのか?」

 「いいえ」

 「自分が襲われたとか?」

 「いいえ」

 「んー、まぁ言いたくないなら仕方ないか」

 「・・・ゎいの・・」

 「ん?」

 「・・が怖いの・・」

 「もう少し大きい声で言ってくれるか?」

 「顔が怖いのーーー!!!!」


 ・・・ぽかーん


 予想外の返答に俺とマルクは開いた口が塞がらない。


 「えっと、それだけ?」

 「うん、近くに来ると怖くて目を瞑っちゃう」

 「そっかぁ」

 (目は四六時中瞑ってるじゃん・・・)


 その後も馬車内で暇をつぶし、気が付いたら現地についていた。


 「到着いたしました」


 外に出ると立派な宿があり、目の前には山があった。


 「これがピリオネ山か」

 「登るのに4時間くらいかかりそうだねぇ」


 宿にチェックインし、夜ご飯を食べた。


 「ごちそうさまでした」

 「はい、ありがとうございました」


 ここの宿の主人は優しそうな老人だった。


 「君たちはピリオネ山へ行くのかい?」

 「はい、アイスウルフ討伐の依頼を受けています」

 「そうですかぃ、頼もしいねぇ、でもここ最近天候が荒れやすいから気を付けてくださいね」

 「天候が荒れやすい?」

 「突然の吹雪に襲われることがあるそうなんです、ドラゴンが目を覚ましたのかねぇ」

 「ドラゴンがいるんですか!?」

 「冗談冗談、ドラゴンなんてもう400年間現れていないんだ、もう死んだだろうねぇ」


 よかった、ドラゴンがいれば即クエスト中止だった。


 「ノア、吹雪が来る可能性があるみたいだがどうする?」

 「ここまで来たのに何言っているの?行くに決まってるでしょ」


 ノアはモンスターだけが怖いようだ。


 この日はこれで解散した。

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