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ながれ星におりぼん  作者: 桐月砂夜
3/3

ながれ星におりぼん

たかいたかいおそらのむこうに、お星さまたちがいました。

くものうえにのって、ぴかぴか、たくさんならんでいます。

 

そのなかにひとりだけ、ひかるおりぼんをせなかにくるりとまいているちいさなお星さまがいました。

そのおりぼんのひかりはきらきら、ぴかぴかしていましたから、それにきづいたみんながあつまってきました。


ひとりがそのお星さまにききました。

 

そのおりぼんどうしたの。

 

そのお星さまは、うれしそうに言いました。

 

こないだ、ここにすわって、きらきら海にうかんだあの青いお星さまを見ていたの。

そうしたらね、わたしのせなかにこのおりぼんが、ぴたりとせなかについたのよ。

ぽかぽかしていて、あたたかいのよ。

 

そのはなしをきいたみんなは、わあ、といって、そのおりぼんを見つめました。


そして、くものうえにくっついてすわって、きらきら海のなかにある、青いお星さまをのぞきこみました。

そのお星さまは、ぽわりと青く、ゆっくりとまわっています。

みんなはじっと、その青いお星さまをみつめました。


するとどうでしょう、ぱっとおりぼんがあらわれて、みんなのせなかにくるりとまきつきました。

ももいろ、きいろ、むらさき、あか。

たくさんの色をしています。

 

そしてみんなのおりぼんはいっぺんに、きらきら海へととびこみ、青い星へしゅるしゅるとんでゆきました。

 

わあ!

 

おおきなこえをだして、お星さまたちはじぶんのおりぼんが、ひらひらとんでゆくのを見つめました。

 

このおりぼんはなんだろう。

きらきらふわふわ、なんだろう。

 

みんながおはなししていると、くものむこうからお月さまがやってきていいました。

 

これはね、あの青い星と、あなたたちをつなぐひかりのおりぼんなんだよ。

これで青い星のみんなはあなたたちを見つけて、そしてあなたたちはあの星からぴかぴかにみえるんだよ。

 

わあ!

 

みんなはまたおおきなこえを出しました。はじめにおりぼんをまいていたちいさなお星さまも、おなじようにおおきなこえを出しました。

 

そしてみんなは、くるりくるり、まわりました。

おりぼんはそのたび、きらりひかって、それはまぶしいほどでした。

 

お月さまは、そんなお星さまたちを見ると、にこにこして、どこかへ行ってしまいました。

 

いちばんさいしょにおりぼんをつけていたお星さまは、お月さまのせなかにも、たくさん、たくさんのおりぼんがついているのを見ていました。

それはくろい色からきいろい色までありましたが、どれもやさしい色でした。

 

お月さまにどうしてあんなにたくさんのおりぼんがついているのか、そのお星さまにはわかりませんでしたが、きっとすてきなことなのだろうと、あたたかなきもちになりました。

 

ねむるじかんがやってきて、お星さまもせなかのおりぼんも、ゆっくりきえてゆきます。

 

このおりぼんをつけてくれたのはだれかしら。

 

くものおふとんのなかで、ちいさなお星さまは思いましたが、せなかがとてもぽかぽかしていたので、すぐにねむってしまいました。


いつかお星さまたちは、あの青い星がまわる、きらきら海へとびたちます。

おりぼんを、せなかにつけて。

お月さまに、手をふって。

 

そのときお星さまは、とびきりぴかぴかとひかることでしょう。

そして青い星のみんなは、わくわくとしてみあげるのです。


よぞらをかけぬけてきらめく、お星さまを。

ながれ星の、おりぼんを。

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