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鬼々時雨  作者: そうのく
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第十八章


「なんだ……。何をした……? 鬼が人を癒やしただと……?」

 目の前で起きたその信じ難い出来事を、鬼は理解できない。

「………。」

 そして、悪い夢から覚めたように起き上がり、再び鬼と対峙するシクナ。魔力も不思議と沸いてくる。鬼の力とは違う、不思議な感覚だった。

 どこから沸いてくるのだろう……この魔力は……。

「……気に入らぬ。この鬼に恐怖せず、まだ立ち向かおうとするか……人間よ」

 不快を顕わにする鬼。シクナはそれに平然と答える。

「折れぬよ、鬼。お前に人の心は折れぬ。心を持たぬお前にはな」

 シクナがそう返すと、鬼はよほど再び希望を持たれたのが気に入らないようだった。

「その表情、気に入らぬッ――!!」

 立ち塞がるシクナに、鬼が形相を変えて襲い掛かる。

 しかし、その攻撃を刃で正面から受け止めるシクナ。

「なにッ……!」

 鬼は驚愕して立ち止まる。先程とは違った力が感じられた。あれほど戦ったはずなのに、疲労が微塵も見えない。

 それどころか、魔力も以前以上に溢れている。

「……人間……! 何の術を使った……!」

「……我は何も術など使ってはいない」

「ええいッ――!」

 問答無用と判断したのか、鬼が手数に物を言わせて魍魎を召喚する。それを、シクナは応戦するように刃で薙払う。

 次々に魍魎が沸いてくるが、それでもシクナはその全てを切り裂いた。

「……!!」

 そこで初めて焦りを見せる鬼。シクナの刃が、鬼を弾き飛ばす。

「何だと……」

 信じられない現実を目の当たりにして、鬼は言葉が出なかった。人に、力で圧倒されている。

「皆……」

 ヒユネが祈り捧げると、辺りに強い光が広がった。周りに居た兵士達が光が包み、傷を瞬く間に癒やしていく。

「な、何だ……?」

 辺りに倒れていた兵士達が目を開ける。傷が癒え、痛みが消えている。

「なに……!」

 驚愕に表情を歪める鬼。倒れたはずの人々が次々に起き上がる。

「何が起こった……?」

 目を開け、何が起きたのかわからず驚くクゼン。先ほど負った傷が消えている。それどころか、魔力すらも以前の常態に戻っている。

「まさか、笹澄の巫女が……?」

 まさに奇跡と呼ぶに相応しい力だった。他の兵士達も驚き、同じように立ち上がっている。

「鬼……。覚悟して貰うぞ」シクナが刃を構えて突き進む。

「ぬうっ!」

 鬼がその刃を爪で受け止めるが、シクナの攻撃は止まらなかった。鬼の瘴気をも振り払い、次第に圧倒していく。

「ぐ……!」

 鬼が後退する。初めて鬼を押しやった。

「精霊の巫女の力か……! 厄介な……!」

 鬼が苦悶に表情を歪める。しかし、それをシクナは否定した。

「違う……。お前は何も分かっていない」

 またもや見当違いの事を言い出す鬼に、シクナは否定した。

 そのまま背後を取り、鬼を切り裂く。

「ぐ……ッ! 馬鹿な……!」

 背中に傷を負い、唇を咬む鬼に、シクナは刃を突きつけた。 

「ぬあああああッ――!!」

 しかし、さらに鬼の瘴気が増す。

 辺りに大量の魍魎が湧き出し、さらに妖魔も数多く姿を現した。

「図に乗るな。人間……ッ!」

「………。」

 静かに刃を構えるシクナ。大量の妖魔が向かってくる。

「地獄を見せてくれるッ!!」

「っ――!」

 鬼がさらに強い瘴気を放つ。苛烈さが増し、攻撃に勢いが増してくる。

 しかし、シクナの刃が鬼を捉える。

「グ、ぬううっ――!」

 刃に切り裂かれる鬼。そのまま、シクナが追撃を試みるが――。

「無駄だ……! 精霊の力では、我を殺すことは出来ぬ……!」

 そのまま鬼の反撃を受けるシクナ。傷が瞬時に回復している。鬼の血が傷を癒している。

 血が有る限り、何度でも蘇るのが鬼だ――。

「……!」

 立ち止まるシクナ。どうにかして攻め入れなければ、この鬼を倒すことは出来ない。

 長時間の戦闘を強いられることを覚悟する――。

「我は倒れぬ!!」

 鬼が手を翳すと、魍魎や妖魔も同時に襲い掛かり、シクナに牙を向く。 

 妖魔や魍魎も大量に湧き出し、このまま一人で相手をするには時間が足りないように感じていた――。

『風崩し!《かぜくずし》』

 そこで、シクナを援護するように風が押し寄せる。

「我々も援護する!」

「帳の筆頭……」

 驚くシクナ。帳の筆頭であるクゼンが加勢に加わっている。

「これより、我が帳を指揮する!」

 クゼンの宣言に、帳の兵士達は驚きに顔を見合わせる。

「父上を鬼の呪縛から解放する! 皆の者! 我に力を貸してくれ!」

 その宣言に、帳の忍び達は静かに頷いて応じた――。 

「だらしないわねえ、シクナ。あたしが居ないと鬼も倒せないなんて」

「サヤ……」

 サヤも加勢に加わり、同じように弓を構えている。辺りに沸く魍魎達を撃ち抜いている。

「………。」

 そして、背後にはいつの間にか黙って刃を構えるウクロが居た。

 その場に居る兵士達が、一斉に妖魔や鬼へと攻撃を仕掛ける。主導師達も同じように先陣へと戻ってくる。

 コウゲンが、シクナに向けて言う。

「シクナ、周りの妖魔は我々に任せろ。お前達は鬼をやれ」

「父上……大丈夫なのですか?」

 そう指示を出すコウゲンに、シクナは心配で顔を見合わせるのだが。

「生意気な口を利くな。妖魔や魍魎ごとき何匹いようが敵では無い。まだまだお前に遅れは取らん」

「分かりました……」

 笑みを浮かべて返事をするシクナ。他の兵士達も次々に刃を構えてくる。

「小賢しい人間どもが……! 根絶やしにしてくれる……!」

「っ!!」

 一斉に戦闘が始まる。激しい魍魎や妖魔が勢いをつけて襲ってくるが、それを笹澄の兵士達が迎え撃った。

 シクナも、帳の兵士達と共に鬼に目掛けて走り出す。

「小僧ッ――!」

 鬼と刃を交えるシクナ。鬼の激しい攻撃が襲い来る。だが、それに負けないように刃を振るう。例え圧倒されても、まるで怖くはなかった。どれだけ、大きな脅威であっても。

 自分には、支えとなってくれる存在が居る――。

「ッ!!」

 際限無く刃を振るうシクナ。鬼に圧倒されても、決して引くことは無い。

「ぐぬうっ……!」

「うおおおッ!!」

 そのまま兵士達と共に鬼を弾き飛ばす。

「父上の敵、取らせて貰う……!」

 クゼンが刃を振るいながら言い放つ。

「小賢しい人間どもが!」

 大勢を相手に立ち回る鬼。兵士達が鬼を囲い込み、次々に刃を振るうが、鬼は傷を瞬時に回復させる。

 それでも何人かの兵士は、鬼に食らいついていく。

「おおおおっ!!」

 兵士達が束となり、鬼を押していく。

「っ……!!」

 シクナも刃を構えて走り出す。鬼に向けて刃を振るった。

 シクナは確実に状況が変わったことを実感した。もはや勝利は目の前に有ることが感じ取れた。

 それと同時に明るい未来が、目の先に見える。

 この先の……笹澄や帳の未来が見える。

 人は変われる……。何度でも……。

 生きている限り、心が有る限り――。

「っ――!」

 帳と笹澄の兵士が共に戦闘を繰り広げる。

「ぬうううう……ッ!!」

 人の勢いが増していく。鬼との戦闘は苛烈さを増している。だが、それでも全員が折れぬままに戦った。際限無く傷を癒す鬼だが、纏う瘴気は段々と弱まっている。

 鬼の血を、人の力が圧倒していく――。

「シクナ! あんたは前衛なんだから、しっかりしてよ!」

「言われるまでもない……!」

 サヤとシクナが連携を重ねて鬼に立ち向かう。人々が、鬼を押していく。

「ガアアアアッ!!」

「うわああッ!!」

 それでも鬼が咆哮を上げると、周りの居る兵士達は衝撃に飛ばされた。

 それでも立ち上がり、人は鬼に食らいつく。

「ぐぬう……!! この虫けら共が……!!」

 痛みに呻き、鬼が牙を向く。その場に膝を付いた兵士達に向けて強い瘴気が渦巻く。

 瘴気が巨大な波となって襲い来る。

「っ!」

 サヤとシクナが助けに入ろうと試みるが、そこでヒユネが術文を唱えた。

土城つちしろ

 大地が足下から突き出し、城のように巨大な壁を作り出す。

 聳え立つ土の壁が、波のように襲ってきた瘴気を防いだ。

「これが、笹澄の巫女の精霊術……」

 呆気に取られる帳の忍び達。これだけ広範囲に渡って術を展開した光景は目にした試しが無かった。

 まるで、大地そのものが動いているかのようだ。 

「皆、後少しだ!」

「応ッ!」

 シクナが号令を掛ける。その掛け声に、笹澄と帳の両軍が応じる。

「ふん、様になっちゃって……」

 笑みを浮かべるサヤ。シクナが筆頭としての責務を全うしている姿には、普段とは見違える物があった。

 皆を率いて、皆を背負って立つ、その背中が大きく見えた――。

「うむ……。素晴らしいぞ、シクナ……。我はこの瞬間を信じていた……!」

 感涙に声を震わせるウクロだった。同じように意気込み、率先して刃を構える。

 シクナは先陣を切るようにして突き進んだ。

 シクナが皆を率い、頼られる存在となっている――。

「あんたが筆頭になっても、私の前衛なのは変わらないからね? しっかりと働いてもらうわよ?」

 背後から釘を刺すように注意をするサヤに、シクナは息を吐いて応じた。

 慣れた連携で鬼に迫る。

黄旋おうせん!』

 サヤの放った雷撃が、鬼を取り囲むようにして巻き上がる。

「合わせろ! ウクロ、サヤ!」

「仕方ないわね……!」

「御意」

 シクナの合図と共に、三人が一斉に走り出す。シクナが先陣を切って突き進む。

 さらにシクナとウクロが波状するように攻撃を仕掛ける。

「火遁・大文字!」

「鬼火!」

「火術・赤裂!《せきれつ》」

 同時に三つの炎術が鬼を襲う。それぞれ放たれた術が、折り重なるようにして鬼を焼き払う。


『火湖!!《ひずみ》』


「ぐぬう……ッ!」

 鬼が身を竦ませる。勢いのある斬撃と炎が、折り重なるようにして降り注ぐ。

「今だ!」

 シクナが総攻撃の指令を掛ける。シクナやクゼンが先陣を守り、他の兵士達が遠距離からの援護を仕掛けている。

 ――共に、皆を背負って……。

 命を共に背負って、自分も戦う。人として、同じように命を背負い――。

「シクナ……」

 その姿に、ヒユネは感情が沸いてくる。シクナが皆から認められていた。

 いつの間にか、皆から頼られる存在になっていた。

 立派に人を背負って戦う、逞しい姿が――。

 これだけの重みを……人の命を背負って戦う。

 もはや、鬼と呼ばれていた過去とは見違える。

 シクナは、もう皆から認められている。

「人間がああああッッ――!!!」

 それでも鬼は抵抗をし、苛烈さを増していく。鬼との戦闘は時間が経つにつれて、兵士の多くが膝を付いてく。

 だが、鬼の瘴気も段々と力が無くなっていくのが分かった。

 誰もが捨て身の覚悟で鬼に一太刀を浴びせる。

「くっ……! お前は、必ず私が……!」

 鬼の勢いに飲まれそうになるクゼンだが、その一心で持ち堪える。

「愚かな人間どもめ……! 一匹残らず潰してくれる……!」

「ッ――!!」

 シクナが刃を構えて鬼に立ち向かう。次第に息が上がってくる。もはや決着は間近だ。

 鬼も残った力で抵抗をし、こちらの戦力を削いでくる。

「っ……!」

「はあっ……! はあっ……!」

 お互いに満身創痍となっていた。兵士達は膝を付き、次々に戦線を離脱していく。

 そして、決着の時は確実に迫っていた。

「うっ!く……!」

 クゼンの振り払った刃が鬼を捉えきれない。足取りは重くなり、疲労と傷で意識を失いそうになる。

 シクナとクゼンだけが、最前線に立っている。

「ッ――!!」

 隙を見せたクゼンに向けて鬼が襲い掛かるが、シクナが素早く援護に入る。

「受け取れ……!」

 鬼火を放つシクナ。鬼に向けて青白い炎が飛んでいくが、その炎は鬼には当たることはなかった。

 しかし、背後で構えていたクゼンが――刃で青い炎を受け止める。

「ッ……!」 

 クゼンとシクナが、同時に鬼に向けて突き進む。


『重十文字!!《かさねじゅうもんじ》』


 鬼を両断するように刃の一閃が交差する。青白い炎の刃が、鬼の身を切り刻む――。 

「馬鹿な……! 我が、人間ごときに引けを取るだと……!」

 ついに膝を付く鬼。信じられない表情のまま声を荒げる。傷が治癒せず、鬼の力が失われていた。

「はあ……はあ……。思い知ったか、鬼よ……。お前は大した存在ではないのだ……!」

 シクナが鬼に向けて言い放つ。

 刃を構え、鬼を見据える。

「バカな……! 鬼が人間を率いるなど……!! あってはならぬ……!」

 そう吐き捨てる鬼に、シクナは哀れむように目を向ける。鬼はどこまでも鬼だ――。

「……お前は、自分より弱い者しか従わせない……。」

 シクナが言う。鬼は妖魔を従わせる。力で全てを支配し、従わせる。そこには何の暖かみも無い。絆も無く、冷たい縛りの鎖があるだけだ……。

「鬼は全ての上に立つ存在……! ありとあらゆる物を支配して君臨する……! それこそが鬼だ!」

 鬼は睨みながら声を荒げるが、シクナは息を吐くだけだった。

「何とも虚しい存在だな……」

 お互いに手を取り合い、歩み寄る事をしない。常に力を行使するだけだ――。

 シクナは鬼に刃を向け、堂々と言い放った。

「我は、竜を従える男だぞ」

「貴様……。何を言っておる……?」

 鬼が信じられない物を見る目で、こちらを睨んでくる。だが、シクナは笑みを返していた。

 ――やはり、この鬼は……。

 自分より弱い者ではない。支配するのではない。お互いに歩み寄り、分かり合う……。

「それが我の夢だ」

 刃を握るシクナ。思わず、鬼に同情の笑みを浮かべてしまう。

「鬼のお前には理解できぬか……!」

 再び、刃と爪が交錯する。

「っ――!!」

 悲しき鬼……。共に手を取り合う事の暖かさを知らない。命が繋ぎ合う温かさを知らない……。

「弱き者しか従えない……! 力でしか分かり合おうとはしない鬼……!」

 お互いを理解し合うことをしない……。心を交わし、分かり合う事をしない。心無き鬼。

「寂しい奴だ! 孤独な鬼よ!」

「愚かな人間風情が!!」 

 怒りに任せて鬼が襲ってくる。しかし、シクナは動きを見極めて鬼の爪を捌く。

 それしかできない、牙を向くことしか出来ない、悲しき存在――。

「我は、必ず……竜とも手を取り合ってみせる……」

 シクナが決意を胸に言い放つ。

 己が助けられた時のように……。鬼と人が分かり合えたように……。

 自分と人が――手を取り合えたように……。

 必ず、竜とも手を取り合ってみせる。 


「お前の負けだ。鬼――!」

 

「ぐ、ぬあああアアァッッ!!」

 鬼の体に亀裂が入る。煙が上がるようにその体から瘴気が噴出した。

「我が、人間ごときに……!」

 呪詛のように言葉を吐き、鬼は姿を消滅させていく。

「……もし、また会う日が来るなら、今度はお主とも手を取り合りあえると良いが……」

 シクナは消え入る鬼を眺めながら言った。自分が人と分かり合えたように……この鬼も、人と相容れる……そんな奇跡があるのなら……。





「う、く……」

 ハシンは薄れる意識の中で目を開ける。何が起きたのか分からないまま意識を定めようとする。

 目の先には、笹澄の巫女とその兵士達が立っていた。

「父上……!」

 すると傍らで、聞き慣れた声が聞こえる。クゼンが今までに見ない表情でそこにいる。

 そしてハシンは、自分が戦いに負けた事を悟った。

「……何故、殺さなかった……」

 ハシンがシクナに問いかける。

「もう戦う必要は無くなった。お主の息子のお陰でな」

 その言葉を聞いて、ハシンは仰向けに天を仰いだ。そんなハシンに向けて、さらにシクナが言葉を掛ける。

「……礼を言おう。生きていくれて、感謝する」

 シクナは、そうハシンにそう礼を述べた。

 しかし、言葉の意図が分からないハシン。

「何故、礼を言う……」

「人を殺めれば、大切な人達が悲しむのでな」 

 シクナはそう言った。自分が人を殺めれば、悲しんでくれる人たちが居る。

 痛みを分かち合い、悲しんでくれる人達が……。

 その人達の支えがあったから、自分はここに立っている事が出来る――。

 痛みは苦しい……痛みは悲しい……。だが、きっとそれから逃げてはいけない。

 それは、人として大切な事だから。

 痛むから人……。悲しむから人……。それを無くせば、人では無くなる……。

 何も感じなければ、きっとそれは人ではない……。鬼のように、何も……。

 強くもあり、弱くもある。それがあるから人なのだ……。

 その心が有るかぎり、時には悲しく、どうしようも無く、逃げたくなることもあるだろう。

 だが、その痛みを分かち合い、支え合う事の出来る仲間が居る――。

 だから人は支え合い、また立ち上がる事が出来る。

 それが、人の強さであり、尊さなのだと――。

「………。」

 ハシンは、その鬼の討士の言葉を、不思議に思いながら聞いていた。鬼らしくもない、実に分からない人間だった……。

「私の負けだ……」

 そうハシンが述べると、シクナが言葉を返す。

「……お主は、まだ生きている。生きている限り、人は変われる……。」

 シクナはそう述べた。心があれば――きっと変われる。

 生きている限り……心がある限り、人は何度でも生まれ変われる――。

「これほどお主を大切に思う存在が大勢居る。命ある限り、大切な者達と共に支え合い……未来を生きてくれ……。」

 シクナがその言葉を残し、戦いは終わりを迎えた。



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