95話・劣勢な状態
「てりゃぁぁ―――っ!!」
「チッ!こ、このぉぉ―――っ!!」
「さっさと心が折れろやぁぁ―――っ!!」
「だ、誰が折れるか、クソチンピラがぁぁっ!!」
ファングの殺意の威圧を受けたチンピラ達が、殺られたくないと、
死に物狂いで屋台の主達へ、襲いかかっていく!
「ハァ...ハァ...く、くそ...こいつら、何て執念だ!」
「あ、当たり前だ!ここで負けでもしたら、あのジジイに
殺られちまうからな!」
「あんなになるくらいなら、玉砕覚悟で戦った方がまだマシだ!」
チンピラが指を差した場所に、先程ファングにやられた仲間だったモノが
転がっていた。
「ふふ...どこを見ているんですか?よそ見をしている暇はありませんよ...」
こちらを見てくるチンピラ達に、ファングが威圧感タップリの視線で返して
忠告してくる。
「す、すいません!?」
刺す様なギロ目でファングから睨まれ、背中がゾッとなったチンピラ達が
急ぎ慌てて屋台の主達と対峙する。
「く...正直な話、このままズルズルとやりあっても、こちらが劣勢なのは
間違いないぞ!」
「ああ、俺達だけならまだしも、アンジュさんも含めて、非戦闘者の者が
多くいるこの状態...。それを守って戦うのは、ちっとばかりジリ貧過ぎる
しな...!」
アンジュや戦えない屋台主を庇うように、戦っている数名の屋台の主達が、
つい弱音をこぼしてしまう。
「ご、ごめんよ...私達が逃げ遅れたばかりに...」
「本当にすまないな。俺達も戦えればいいのだが...」
「あ、すいません!俺達が弱気になったばかりに、要らぬ事を
言ってしまいました...」
ションボリとして頭を垂れる、女性達や戦闘経験がない男達に、
戦っている屋台の主達が頭を下げて謝った。
「はあ...しかし、ここまで手こずるとは...つくづく使えない連中ですね...」
劣勢に立たされているガッコの部下を遠巻きで見ているファングが、
溜め息を吐いて呆れ返る。
「仕方がありません...私が少し手伝うとしますか......」
ファングが呟く様にそう言うと、腰にさしてある剣を鞘から抜き、
屋台の主達へ身構える。
「なっ!?なんだ、こ、この凄まじい殺気のオーラはっ!?」
殺気のする方角へ視線を向けると、こちらへ突進してくるファングの
姿が映った。
「チィッ!何て速さだ...受けとめきれ――――グハァッ!?」
突撃してくるファングを、持っていた剣で防御で受けとけようとするが、
威力が凄すぎて、吹っ飛ばされる!
「そこ...油断ですよ、はぁぁぁ―――っ!」
「何!?そ、そこから届く―――――ダアハァァッ!?」
ファングの返す剣の風圧で出現した空気圧が、近くにいた別の屋台の主を
先程と同じ様に吹っ飛ばす!




