85話・メイーナの仕込み
ここは天上界にあるメイーナ神殿の中にあるメイーナ専用の
研究施設......。
ナナーシュと別れた後、メイーナが独自のルートで仕入れてきた素材を
片手に、その研究施設でメイーナ特製、アイテムパワーアップ装置の
開発へと取りかかっていた...
「う~ん、これでは...少ししか出力が安定しませんか......ボツ!」
メイーナが手に持っていた素材をポイッとゴミ箱へ投げ捨てる。
「次はこちらを試してみますか......」
右手の横に置いてあった別の素材を手に取って、今開発中の器具に
取り付けてみる。
「お――――い!メイーナ、メイーナ~ッ!ここにいるんでしょう!
いるんだったら、返事をしなさいよぉぉ~っ!!」
メイーナが研究に没頭している中、突如遠くの方から誰かの叫ぶ、
大きな声が聞こえてくる。
「ん...この癪に障る、高い声の持ち主は......」
自分を呼ぶ不愉快な叫声にピクッと反応し、その声の聞こえた方角...
部屋のドアへ顔を向けた瞬間......
「ああ、やっぱり、ここにいましたかぁぁぁ――――っ!!」
メイーナの名前を叫んでいた人物が、閉めていたドアを壊すかの勢いで
バンッと強引に開けて入ってきた。
「ハァ...やはり、グラスでしたか...」
想像通りの人物がそこに立っているのを確認したメイーナが、
見た目でもわかるくらいに、意気消沈な表情で嘆息を吐いた。
「な、なんですか!そのめちゃくちゃ嫌そうな表情は!失礼ですよ、
失礼っ!!」
メイーナの表情を敏感に感じたグラスと呼ばれた人物が、膨れっ面で
プンプンと怒っている。
「だって...ガッカリ感がハンパないんですもの...ガッカリ感が!」
「うう...あ、相変わらず、ひどい扱いをしてきますね......」
隠しもしないで正直な言葉を述べてきたメイーナに、グラスの心が
今にも崩れそうになっている。
「それで一体、なにをしにここへ...?私、物凄く忙しいんですけど?」
「う、うっさい!こっちも物凄く、貴女に用があるんですよっ!!」
面倒くさそうに自分を見てくるメイーナに、グラスがムッとした
表情をして、人差し指をビシッと突き出してくる。
「ふうん...私に用...ねぇ...。それで、その用とはなにかしら?」
「それじゃ、いいますけど...ゴホン!貴女...『あれに仕込み』ましたね?」
「あれに仕込み......ですか?」
グラスの言葉に何か思う節があるのか、メイーナの眉毛がピクッと
少し動いた。




