83話・メイーナとミミ
「キィィ――ッ!またミミの事、お馬鹿って言ったぁ!それに何よ!
その傲慢な微笑みはぁぁっ!貴女の微笑みって、本当...女神の微笑みと
言うより、邪神が他の者を見下すあの表情にソックリだよね...!」
「イヤンッ♪そんなに誉めないでよ~照れちゃうじゃないか~♪」
嫌味のこもった発言を、どう誉め言葉として取ったのかわからないが、
手をイヤだ~っとチョンチョンと動かし、その表情はデレデレしている。
「ええぇぇ―――ッ!?いつ、どこで、誰が、貴女を誉めました!?」
まさかのメイーナの返答とその異様な態度に、どこをどう取ったらそんな
表情になれるの!?...と、言わんばかりに、ミミが目を丸くして思わず、
喫驚してしまう。
「まったく...貴女は相変わらず、マイペースですね...」
「ま、それが私の信条ですし♪」
「さよですか...はぁ~」
ミミはメイーナの行動や言葉に呆れると、軽く嘆息を吐いた。
「まあ、いいわ...。コホン、それより聞きましたか?あなたの罰の
処遇を?」
「いいえ、聞いてないけど、へぇ...もう処遇が決まったんだ...?
あのトロくさい大女神様にしては審判が早かったわね?」
「ちょっと!大女神様をトロくさい呼ばわりって...もし大女神様に
聞かれでもしたら、ただじゃ済まないわよ!?」
大女神様の悪口をわるびれもなく言うメイーナに、ミミが動揺しながら
それを注意する。
ふ~ん、それにしても慎重派の大女神様が、よくもまあこんな短時間で
私の処遇を決められましたよね...?
もしかすると、あのババア...何か良からぬ事を考えているのかも...。
ま...仮にそうだったしたら、全力で叩き潰してあげますけどね...。
「ちょっと、聞いているの?メイーナっ!」
「うふふ...ちゃんと聞いていますよ。あのヒステリックババァに
聞かれたら大変だって事でしたねよ♪」
メイーナが心の中でそう思考すると、大女神様の事を小馬鹿にして
ケタケタ笑ってくる。
「おい!何か、さっきより言い方が酷くなってるぞっ!?」
屈託のない笑顔で述べる、そのあまりにも横暴な態度に、ミミが
ビックリ仰天してしまう。
「しかし貴女も大馬鹿やったよね、いくら贔屓している子の為だと
いっても、あいつの管轄の魔族に手を出しちゃうなんて...」
「えへへ...つい、カッとしてやっちゃった♪」
メイーナは茶目っ気タップリの顔をして、舌をチロッと出してくる。
「はぁ...そこまで清々しい顔で言えるって事は、その贔屓している子に
ベタ惚れって、噂は本当なのね...」
「イヤン、ベタ惚れだなんて...正確には、デレベタ惚れですよ~♪」
メイーナが手を頬に当てて頬を赤く染めると、身体を気持ち悪いくらいに
クネクネと動かさせている。
「うわ...あの、邪神の生まれ変わりではとまで謂わしめたメイーナが
こんな乙女な態度を取るなんて...」
目の前でクネクネさせているメイーナが、頭の中にあるメイーナの
イメージと全然違う事に、ミミが信じられないモノでも見た様な
表情でジィィーッと見ている。
「う~ん、メイーナがここまで惚れる相手か...。何か、ミミも
その子に興味が出来てき―――」
「え...?何か言いましたか、ミミさん♪」
ミミの発する言葉を聞いたメイーナが顔は笑っているのに、その瞳の奥は
まったく笑っていない視線をミミへと静かに贈る。
「ヒィィィ―――ッ!?うう、うっそでぇ~~す!冗談を言って
みたかっただけでぇぇ―――すっ!」
その視線に殺意のオーラを感じたミミは、速攻でメイーナの前に
ひれ伏し、必死に謝り倒すのであった...。




