80話・言い訳通じず...
「キスが目的だって!?違う、違う!そ、それはアミューの勘違い
だってばっ!」
「へぇ...勘違い...ねぇ...?」
そ、そうだよ、アミューの勘違いさ!僕がこの依頼を気にしたのは、もし...
この依頼を、あの屋台のお姉さんが出したモノなら、こんなに早く依頼を
してくるんだ...。また何かピンチな事が起こったかもしれないって、
心配になって当然だろ...!」
僕は頭の思考をフル回転させて考えた言い訳を、身振り手振りを加えて、
アミューへ必死に伝える。
「う~ん...確かにそうだよね...。このスピードでまた同じ依頼をするって事は
そういう可能性が大きいわね...」
おお!いい感じに話が通っていく...!これは...いけるかも!
「だからさ、あの依頼を受けた責任も含めて、僕がこの依頼を受けたいんだ!」
僕は留めと言わんばかりに胸を張り、ドンとその胸を大きく叩く。
「なるほど...シュンの言いたい事は、大体わかった...」
よっしゃぁぁ―――っ!勝ったぁぁぁ―――――ッ!!
「そういう事なので...僕がちょいとひとりで――」
「でもそれじゃ、何故そのクエストを1人で受けようとしているのよ?
私も受けたんだから、その私を無視して受けるのは、何か筋が通らないよね...?」
ハワッ!す、筋が通らないっ!?
アミューがめっちゃ真面目なトーンで、僕の事をジィィッと睨むと冒険者の
心得的なものを熱く語ってきた。
「仮にだよ...仮に自分が受けたクエストだからって理由で、シュンがひとりで
そのクエストを受けようとしたとしてもだよ...じゃあ何で、それを隠して
受けようとしたのよ?」
キャアァァァ――――ッ!?アミューさんが、めっちゃ確信を突いたド正論を
発してこられたぁぁぁ―――――ッ!?
「え...と!そ、それは...その...なんと言いましょうか...」
アミューに直球過ぎるド正論をかまされた僕は、慌てふためき起死回生の
言い訳を言おうとするが、その言い訳が口から全く出てこなかった。
「とにかく、このクエストを受けるなら、私もついていくからね!」
「勿論、従者のボクもですよ、お兄ちゃん!」
アミューがビシッと人差し指を蒼井に突きつけそう述べると、その横いた
ココもフンスッと鼻息荒くして、ついて行く事への意思表示をする。
「え...ふ、二人ともですか...?」
「うん。そうだけど...文句...ないわよね♪」
「ないよね、お兄ちゃん♪」
にこやかな表情だが、瞳の奥が全く笑っていないアミューとココが、
有無も言わせぬ威圧感で蒼井に近づき、そう述べる。
「は、はい、ありません...よろしくお願いします...」
そして言い訳が出てこない僕は、アミューとココになんの反論もできず、
しぶしぶ承諾の言葉を口に出す。
「お待たせしました......って、どうしたんですか?そんな場所で?」
奥の部屋からやっと出てきたルビが、クエストボード近くに集まっている
蒼井達を見て、ハテナ顔をしている。
「あ...ルビさん、丁度良かった!このクエスト依頼をシュンが受けたいん
ですってっ!」
ココから受け取ったクエスト依頼書を、アミューがルビさんに手渡した。
「依頼を...ですか?でも、シュン様はこの町を出るんじゃなかったの
ですか?」
「あ!その説明も私がするわ!」
「え...ちょっと、それは僕が説明を...!」
僕の言葉が届く前に、アミューがルビさんの元へ早急に駆けて行き、
何故この依頼を受けるのか、事細かく説明する。
ブクマ、評価、ありがとうございます!
そして誤字の報告も本当に助かってます!
おかげ様で何とかテンション良く、80話突入です!




