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75話・男のロマン


「長寿...?」


「そうだよ。ルビさんってこう見えても、ひゃくに...」


「ゴッホン!ゴッホン!アミューさん...いくら同じ女性でも、

年齢を勝手に言うのは少し...いいえ、かなりルール違反なのでは?」


アミューの言葉を遮る様にルビが何度も強く咳払いをすると、

ジト目で睨む。


「にゃはは...ごめんなさい!この間シュンを説教した手前なのに、

自分がミスるとは...」


アミューが頭に手を置いて、ニガ笑い浮かべて謝罪する。


「......」


やっぱり、エルフって長寿なんだ......


...て言うか、アミューの今の言葉にひゃくって数字が出てきたよな...!


まさか...ルビさんって、百歳を超えているのっ!?


「うう...シュン様、そんなにジロジロ見ないで下さい...やはり年を取った

女性はお嫌いですか...?」


ルビが上目遣いでチラチラと蒼井を見つめて、そう問いかける。


ま...確かに、よぼよぼの婆さんを好きかと言われたら、流石に全力で

ノーと言う言葉を口に出す!


だが、ルビさんは見た目も肌艶も、若いアミューとそうかわらないし、

それにこれは重要かつ大事な事だが......


ルビさん、ナイスで巨乳なおっぱいだからっ!埋まるからっ!!


と、言う事なので...


「僕は思考が浅いので、うまく言えませんが...見た目が僕らと

変わらないんなら...年齢はあんまり関係ないかなと...」


「それじゃ、年齢が100を超えていても気にしないんですねっ?」


蒼井がニコッと微笑みを見せてそう言うと、ルビが身を乗り出して

キラキラと瞳を輝かせる。


「え、ええ...勿論です!それどころか、いつまでも若々しい妻だなんて...

まさに男のロマンですよ!」


だって、死ぬまで若々しく、しかもこのナイスおっぱいの女性と夫婦だぞ!

こんなの...男冥利に尽きるってもんだろ!


「つつつ、妻っ!?」


「妻って...ちょっと、シュン!あんたまさか、ルビさんと結婚するつもり

なのっ!?」


「違う、違う!物の例えだよ!物の例えっ!もう!いくら冗談でも

そんな馬鹿な事を言っちゃ駄目だぞ!」


「はうっ!?いくら冗談でも...そんな馬鹿な事を...っ!?」


第一、僕の妻だなんて...ルビさんが嫌に決まっているじゃないか!


全く...アミューはルビさんに、何て失礼な事を言うんだろうね...。


ほら...僕の妻だなんて言われたらから、ルビさんの表情が悲しみに

暮れているじゃないか...


でも予想以上に、悲しみにあふれた表情で下を向いちゃってるな、

ルビさん...。


ハァ...さっき腕に抱きつかれた時、僕に好意を持っているのではと

少し思ったんだけどなぁ...。


くう...ここはグッと涙をこらえて......


「こほん...は、話を戻しますが...取り敢えず、ルビさんの戦闘能力に

何の問題もありませんね!」


僕は気持ちを咳払いで切り替えると、ルビさんとの会話を続ける。


「ぐす...え?そ、それでは、私は合格って事でよろしいんですか!」


先程までこの世の終わりみたいな表情をしていたルビだったが、

蒼井の言葉を聞くと、その表情が一変してキラキラ笑顔に変わる。


「勿論!よろしいもなにも、文句のつけようがありませんよ!」


「本当ですか!やりました!」


うわ...さっきまで、あんなに暗い表情だったのに、何てすっごく爽やかな

笑顔なんだ...


これって、僕と冒険ができるからの笑顔なのかな...?


だとしたら、嬉しいなぁ...。


あ...でも、僕の妻って言われてめっちゃ落ち込んでいたし...それは多分、

勘違いか...はは。


先程の暗い表情をしていたルビさんの事を思い出した僕は、口から乾いた

ニガ笑いがこぼれる...。


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