73話・二の腕
「ま、そう言うわけだから、ルビさんはここで大人しく待ってて下さいね!」
アミューはしてやったりといった表情で、ルビに留守番をお薦めする。
「ちょ!?何ですか、そのニヤニヤした顔はっ!?第一、グリーン貴族や
魔族を相手にするって言うのなら、アミューさんだってシュン様の邪魔に
しかならないじゃないですか!」
勝ち誇った顔をしているアミューに納得がいかないルビが、人差し指を
ブルブルと振るわせながら、反論してくる。
「私は大丈夫なんですぅ!だって、シュンが守ってくれるから~♪」
「うひゃっ!?」
アミューが屈託のない笑顔でそう発すると、僕の二の腕にギュッと強く
抱きついてきた。
おおぉぉ――っ!?二の腕に...僕の二の腕に...アミューさんのおっぱいの
感触きたぁぁ―――っ!?
アミューさん、至福の感触をいつも本当にありがとうございますっ!!
僕は心の中でアミューにビシッとお辞儀をして、感謝の意を唱えた。
「むむ...それを言うんでしたら、私の事だってシュン様がきっと守って
下さいますよ!ね、シュン様っ!!」
蒼井に甘えているアミューにルビがそう述べると、蒼井のもう一方の
二の腕へ、対抗するかの様に思いっきり抱きつき、ムギュッとしてくる。
うおおおぉぉ!なにこれぇぇ――っ!?
ルビさんのおっぱい、めっちゃ、やわらかけぇぇぇ―――っ!?
めっちゃ、デケェェェェ――――ッ!!
それにルビさんのおっぱいの谷間に挟まれた僕の二の腕が、どんどん
包み込まれていくじゃないですかっ!?
これは凄い......!
この威力...まさにアミューの直肌おっぱいにも勝るとも劣らない、究極の
おっぱいさんだっ!!
「ね...シュン様!私の事もちゃ~んと、お守りして下さいますよね?」
ルビが恍惚な表情で、蒼井の顔をジィィーッと上目遣いで見つめてくる。
うう...ル、ルビさん、その表情とおっぱい攻撃...女の子耐性のない僕には
かなり卑怯な攻撃です......!
「そ、それは...勿論、お守りしますけど...」
僕はルビさんのキラキラした瞳と、それに合わせてムニムニと腕に当たる
おっぱいの感触に負け、思わずポロッと言質に近い言葉を吐いてしまう。
「その言葉!私も一緒に連れて行ってくださるって事ですよねっ!」
蒼井の言葉を聞いたルビが、その瞳を輝かせた笑顔で問うてくる。
「いや...それとこれとは別でして、やっぱり危険なの――――はうっ!?」
僕は何とか頑張って断りの言葉を口にしようとするが、僕の二の腕が
それとは裏腹に敗けを認めたといわんばかりに、ルビさんのおっぱいの
感触へと囚われて行く...。
「それで...どうなんですか?私の事...連れて行って下さるんですよね?」
「はにゃわっ!ル、ルビさんっ!?」
またその恍惚なキラキラ上目遣い&おっぱいムニムニ攻撃ですかっ!?
流石は大人ですね、ルビさん...。『恋人いない歴=年齢』のこの僕の心を
完璧に熟知した攻撃をしてこられる......。
ふ...こんな...こんな攻撃をされようものなら、僕の心と身体が抗える
ワケがないじゃありませんかっ!!
「ハァ...僕の負けです、ルビさん」
「そ、それではっ!」
「ええ...ただし、ついて来るには条件があります!」
僕は気持ちを切り替えると、人差し指をピンッと立てて真面目な
表情でこう述べる。




