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70話・さようならです!


「じゃ、アミュー、いきなりでわるいんだけど、僕達はここで失礼させて

もらうね!」


「お、お姉ちゃん...さようならです!」


蒼井とココがアミューに向かって、ペコリと別れのお辞儀をする。


「ち、ちょっと待ってよ!ほ、本当にここへ帰ってくるつもりはないの?」


カトンを去ろうとしている蒼井達に、動揺したアミューがそう訊ねる。


「うん。でもいつか、またきっと遊びには来るよ!だから、それまで元気でね!

あ...そうだ、パーティの登録の解除を頼んでもいいかな?それとルビさんにも

よろしく言っておいてね...」


僕はカトンを去る前に、アミューに頼みたい事や言っておきたい事を、次々と

述べていく。


「後、クエストの報酬はアミューが貰って―――」


「ついて行くから......」


すると突然アミューが僕の言葉を遮り、聞こえないくらいのかぼそい声で

ボソッと何か呟いてきた。


「ご、ゴメン、よく聞こえなかった...今、何て言ったの...?」


「だ・か・ら・っ!私もシュンについて行くからって、言ったのよぉぉぉっ!!」


よく聞こえなかったアミューの呟きを確認する為、もう一度蒼井が問いかけると、

アミューが叫声を荒らげ、その答えを返してきた。


「ええぇ!だ、駄目だって!僕について来ると危険な事がいっぱいなんだよ!」


「構わない...」


「それに、きっと魔族との戦闘にだって巻き込まれちゃうかもしれないんだよ!?」


「もしそうなった時は、シュンが私を守ってよ!勿論、守って...くれるよね?」


アミューが上目遣いでジッと蒼井の顔を見つめて、答えを待っている。


「そ、そりゃ、当然そうなった時は全力でアミューの事を守るよ!」


「エへへ...ありがとう、シュン!」


蒼井から希望どおりの答えを聞けたアミューは、頬を赤くして照れている。


「はぁ...本当に僕についてくるつもりなのかい、アミュー?」


「ええ...勿論よ!それに例え、ここに置いていかれたとしても、私はあなたを

見つけ出すまで、世界中をくまなく、探し回るからね!」


人差し指をビシッと蒼井の前に突き出して、アミューが自分の信念を発すると、

またその頬を赤く染めていく。


「はは...僕を探して回るか...。もしそれでアミューが野垂れ死でもしようもの

なら、僕はきっと立ち直れないな...」


ここまで好意を出されては、もう断れないよね...。


ふう...僕も覚悟を決めるか...。


「わかった...そこまで言われて断る程、僕は空気が読めない男じゃないよ...」


「じゃあ!」


「僕と一緒に自由な旅...冒険について来てくれるかい...アミュー!」


「ボクもお姉ちゃんと旅が出来ると嬉しいです!」


蒼井とココが、アミューに微笑みを浮かべ、そして握手をする為に手を

アミューの前に差し出す。


「う、うん!よろしくね、シュン!ココちゃん!」


差し出された蒼井とココの手を纏めて握りしめると、アミューも

蒼井やココへ屈託のない笑顔を見せる。


「あ、そうだ!ねぇ、シュン。旅に出るなら軍資金も必要だよ。だからさ、

クエストの報酬を貰ってから、ゲットンの町へ行こうよ!そんなに急いで

行く必要もないでしょう?」


「まぁ...確かにそうだね...。ならついでに、ギフトの判定もして行こうかな?」


大体、これが目的だったワケだし......。


「え...でも、ギフトの判定の結果って、最低7日はかかっちゃうけどいいの?」


「へ...!ギフトの判定って、そんなに時間がかかっちゃうものなの!?」


その事実を聞いて目を丸くし驚いている僕に、アミューが首をコクンッと

縦へ静かに振った。



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