表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/481

57話・命を糧に


「悪いね魔族の隊長さん、でも恨みはなしだよ...。人に向けた殺意が、今度は

自分へ同じ様に返ってきただけなんだから...」


「くくく...アハハハハッ!!俺達の殺意とお前達の殺意が同列だと...笑わせるなっ!

俺達、魔族に殺意を向けられれば、お前達人間はたちまち、恐怖、畏怖、絶望、

これらを感じ、自分が下種だと認識し脅え逃げ惑う存在の癖によ!その貴様らの

殺意と一緒に扱うんじゃねぇっ!!」


魔族が下卑た高笑いを上げながら、自分達に刈られる人間風情の殺意と同列で

比べるなと叫声を荒らげている。


「これが魔族の価値観なのか...」


本当にメイーナの言う通りだな。こいつら魔族って、ロクな考えを持って

いなかったよ...。


こいつらに慈悲なんて道徳心を与えたら、人族の為にならないのを改めて、

自覚した...。


「だから、魔族!女神に課せられた勇者の意思を以て、今お前を...

ここで刈らせてもらうっ!!」


「ハンッ!そうは簡単には行くかよ、テリャァァァ――ッ!!」


僕が声を上げ剣を振りかぶろうとしたその時、いきなり魔族が右手を

前に突き出してきた!


「な、まだそんな余力を残していたのかっ!?...って、何ッ!」


魔族が右手に溜めた気合をこちらに撃つかと思い防御を構えた瞬間、

その気合弾を地面に向けて撃ち、斜め後ろへと飛んで行く。


「あ、シュン!あの魔族の狙いはあれだよ!グランキュード砲!」


「えっ!?グランキュード砲だってっ!?」


メイーナに言われて魔族の飛んで行った先を見てみると、僕の目に

グランキュード砲が映る。


「でも、殆どの魔族は倒したから、あれを起動させても大した脅威には

ならないんじゃないの?」


「MPだけを糧にするつもりならシュンの言う通り、大した脅威にはならないよ、

でも、もう1つの方法を使われたら話は別さ!」


「もう1つの方法...?そ、それは一体どんな方法なんだい、メイーナ?」


あのメイーナが深刻な言葉で話してくるので、僕も緊張感でいっぱいになり、

おそるおそるとその方法とやらを聞いてみる。


「命だよ...」


「命って、あの生命の命の事!?」


「ああ、そうだよ。あいつらの全てを糧にしたエネルギー量は恐らく、

魔族のMPを利用した場合の約50倍はあるはず...そして、隊長クラスだと

200倍はくだらないと思う...!」


「に、200倍だって!それじゃ、今この場にはあいつを含めて、魔族が5人

残ってるから、カトンを襲おうとした攻撃の約2倍の威力って事っ!?」


たった5人の魔族で通常の400人分なんて、魔族の生命エネルギーって、

どれだけ大きいんだよ!?


「くくく...そう言う事だ、下種!さて...本来はこの先にあるクランチ城を

狙う予定だったが...それは変更だ...!確か、カトンのある方角は...

こっちの方だったよな?」


ナックが下卑た笑いを上げながらカトンの方角へと指を差す。


「な、なんだと!お前まさか、カトンを狙うつもりなのか!?」


「ギャハハハハ!その通りだぜ、下種!貴様のせいで俺の任されたこの計画の

何もかもが全て、オジャンにされたんだっ!だから、お前はその責任を

取らなきゃいけないよなぁ~?あああん、そうだろ!下種ぅぅっ!!」


「なぁ~に、安心しろ!このグランキュード砲の砲撃を食らった者は、自分に

何が起こったのか、わからずじまいで即に蒸発だから、痛みを味わっている暇も

ないっ!!」


「し、しまったっ!?あのクソ魔族、起動プログラムをっ!?」


メイーナの声空しく、ナックがグランキュード砲の隠されたもう1つの

起動プログラムを作動させた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] しゃべってる暇があったら(ry
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ