48話・門
ガヤ...ガヤ...ザワ...ザワ...
「うわ~結構、並んでるなぁ~!」
商人や冒険者等の様々な人達が、あれだ、これだと愚痴や文句をたれながら
並んでいる。
「あ、見て、あそこが最後尾みたいだよ!」
最後尾を見つけた僕達は、その後ろへ並ぶ為に移動する。
ん...?よく見ると、列に並んでない人もチラホラといるな...?
「早くしろよっ!このままじゃ、あいつらがやってくるかも
しれねぇだろうが!」
「商売道具の中でも一番高い物をやるから、俺を先に入れろ!そこの
並んでいるお前達でもいい、これをやるからそこを譲れ!」
「くそ...俺様を誰だと思っているんだ、Cクラス冒険者のテンツ様だぞ!
このカトンになくてはならない存在なんだぞ!」
「お願いです、門番さん!この子だけでもいいですから、中に入れて下さい!
どうか...どうか!」
「だから先程も言いましたが、こちらも規則に従ってやっている事ですので、
私達の勝手や同情でそれを破る訳にはいかないのです!」
門番の兵士達へ、食ってかかる様に文句を言う者、袖の下をやって門を抜けようと
する者、情けを訴えて子どもだけを通そうとする者、様々な人々が門番の兵士達に
直訴の声を荒らげている。
「ああいう連中には困ったモノだ。こっちはちゃんと並んでいるっていうのに...」
「全くだ!そのせいで、カトンへの入場が遅れているじゃないか!」
「こっちにだって、守りたい者もいるんです!あの連中だけじゃありません!」
門近くで門番の兵士達に食ってかかる連中を見て、並んでいる者達が溜め息を
洩らす様な呆れ口調で、文句や愚痴をその連中にこぼしている。
「あ、あの~すいません。どうして今日はこんなに人が並んでいるでしょうか?」
アミューが僕達の前に並んでいる、おっさんに問いかける。
「実はな、ここから少し離れた場所で魔族を見た連中がいたらしくてね...」
「ま、魔族をですか!」
魔族と言う単語を聞いたアミューが、頬に冷や汗を掻いて驚いている。
「その魔族を見たって連中はみんな殺されたそうなんじゃが、そいつらが
残していった荷物に魔力感知のアイテムが入っておってな...」
「その魔力感知の記録に魔族反応があったんですね...」
「ああ、そう言う事じゃ...」
「「あ...!?」」
「お、お兄ちゃん!その魔族って、ボクを襲った...」
この近くに現れた魔族と聞いてたココが、僕に耳打ちをして
もしかしたら聞いてくる。
「嗚呼、間違いなくココを瀕死においやった魔族の事だろうな...」
「じゃあ、本当にあの魔族がここに来る可能性もあるんじゃ!」
「イヤ...それはない」
僕は確信を得ているので、ココの言葉に首を左右に振った。
「へ...それはどうしてなの、お兄ちゃん?」
「だってその魔族って、メイーナが瞬殺したらしいから...」
「え...ええぇぇ―――っ!?め、メイーナ様がですかっ!?」
自分を苦しめたあの魔族がメイーナに瞬殺されてたと聞き、目を見開いて
驚いている。
「ど、どうしたのココちゃん!いきなり大声を出して?何か、メイーナ様って
言ってたみたいだけど?」
いきなり大声を上げてメイーナの名前を言うココに、喫驚するアミュー。
「ご、ごめんなさい大声を出して、お兄ちゃんからメイーナ様の知らない情報を
聞いちゃったから...はは」
「そ、そうなんだ...で、その知らないって言う情報はなんだったの?」
「エヘヘ...内緒です♪」
アミューの問いかけにココは微笑みながら、舌をチロッと出して誤魔化した。
「もう、本当にココちゃんって、可愛いなぁ~!」
「はわぁあっ!?」
ココの可愛く誤魔化す仕草にキュンときたアミューは、ジャンプする勢いで
ピョンっと飛び、そこままココに抱きついた。




