47話・カトンに帰ろう!
「なるほど...そんな事があったんだ...」
「うん。そうなんだよ...」
僕はWPの事や、メイーナの紋章の事は内緒にして、ダーツとか言っていた
クソのおっさんにココが捨てられて、僕が助けた恩で従者になったと説明した。
「しっかし、そのダーツって男も酷いよね~!こんな子どもをこんな森に
捨てていくなんてさ!後で会ったら、絶対にとっちめてやるわ!」
はは...そのとっちめる相手は、もうこの世にはいないんだけどね...。
「さて...それより今度こそ、クエストを再開しようか...」
「ん...その必要はないわよ、シュン。さっき私が退治したゴブリンで丁度、
クエスト討伐数が5になったから!」
「へ...うそ...?あ、本当だ...!?」
アミューの言葉を聞いた僕は、慌ててギルドカードを取り出して見てみると、
確かに、クエスト達成の文字が光っていた。
「ご、ごめん、アミュー、このクエストは僕がやらなきゃいけないのに...」
「いちいちそんな事を気にしない!大体、パーティを組んでいるんだから、
私が倒した敵はシュンが倒したのと同じなんだからさ!」
元気のないシュンに対し、アミューがはにかんだ笑顔でパーティ理論を
説明する。
「そっか...パーティか...。ありがとうアミュー!今度は僕がアミューの為に
パーティ仲間として頑張るよ!」
「そのセリフに「パーティ仲間として」の部分はいらなかったかな...」
アミューはちょっと不満げな言葉を、蒼井に聞こえないくらいの
かぼそい声で呟いた。
「え...今、何か言った?ごめん、アミュー。声が小さくてよく聞こえなかった」
「いいのよ、シュンは別に聞こえなくても!そんな事より、まだ日も
暮れていない今の内に、カトンへ帰りましょう!」
「う、うん...そうだね。じゃココ、僕達についてきてね!」
「はぐれない様に手でも繋いでおこうか、ほら...ココちゃん?」
「は、ハイ!お兄ちゃん、ありがとうお姉ちゃん、それじゃ...!」
ココがモジモジと照れながら、アミューの手をギュッ握ってきた。
「おおぉぉ!か、可愛い!それにお姉ちゃん!何て甘美な言葉!」
あ...アミュー凄い表情をしているな...。頬が緩むってLVってじゃない顔で
微笑んでいるぞ...。
スキップを軽く踏みながらココと歩いていくアミューの後ろから、僕も
ゆっくりとついて行く...。
――――――――――
「ふう...やっと、カトンの壁が見えてきた...」
東の森から歩く事、数十分...僕達はやっとカトンの町に
帰ってきた。
ワイワイ...ガヤガヤ......。
「ん...何か門の所に人だかりができてるね?」
「あ、本当だ...。いつもの十倍くらいはいるんじゃない?」
「こりゃ、急いで並ばないとカトンに入れないかも!」
「入れない?何でなんだい?」
「何でって、夜は魔物が活発化するからよ!門なんか開けていたら
その魔物のいい餌食だわ!」
理由を知らない蒼井に対し、アミューが門の開閉の事を詳しく説明する。
「なるほど...そう言う理由か...」
「ほら、シュン!そこでボーッとしていないで、急いで列に加わるわよ!」
「それじゃ、行こうかお兄ちゃ――――キャッ!?」
アミューが蒼井にそう言うと、自分の横にいたココをガバッと抱きかかえて、
風の如く駆け出して行く。
「うわ!ちょっと待ってよアミュー!僕を置いてかないで~!」
僕もその後を慌てて追いかけて行く...。




