462話・ヌーザの紹介
「おっと。そうだった、そうだった。んじゃ、シュン君。今度こそ改めて
この子の事を紹介するね♪えっと...この口の物凄く悪い子はヌーザ。
私と同じくソニア姫様をお守りする騎士なんだ♪」
ニーズは慌てる様にヌーザを自分の横に置くと、蒼井にヌーザの自己紹介を
改めてしてきた。
「ヌーザさんっていうんですね。僕の名前はシュン...シュン・アオイって
言います!ニーズ同様、仲良くしてくれると嬉しいです!」
僕はヌーザさんに自分の紹介を終えると、ニコリと微笑んで手を前にスッと出す。
「こちらこそだ、人族シュン。それとキミとこいつの関係性は先ほどこいつから
取り敢えず全部聞かせてもらった。私もソニア姫様の為ならば、キミへの協力は
吝かではないと思っている!」
それを見たヌーザは、蒼井と同じ様にニコリと微笑み、そして手を前にスッと
伸ばして蒼井とガッチリ握手を交わす。
「本当ですか!ありがとうございます、ヌーザさん!それじゃ、早速で
悪いんですけど、この子達を町に戻す手伝いをしてもらっていいですか?
道を歩いて帰るより、空を飛べるヌーザさんとニーズに手伝ってもらえば
町に早く連れて帰れると思うので!」
「空を飛んで運ぶか...ふむ、了解した!...と、それより、人族シュンよ。
その堅苦しい敬語はやめないか?ニーズにはあんな軽口なのに、私だけが
堅苦しい口調だと違和感が......な。だ、だから、その...私にもタメ口で
構わないぞ、人族シュン......いいや、シュンよ!」
「あ、わかりまし――おっと、わかったよ、ヌーザ!」
僕はヌーザさん...いいや、ヌーザにニコッとした笑顔でそう返事を返す。
「ああ、それでいい。ではニーズ。急ぎ空を移動し、こいつらをザッカの町へ
運んで行くとするぞ!」
「あいよ、ヌーザ!そんじゃ、シュン君。キミはここでみんなを森の魔物から
守っていてねぇ~♪」
「わかった。それよりもニーズ。急ぎ慌ててみんなを運んでいる途中で
空から間違っても落っことすんじゃないぞ!」
「し、失礼だな、シュン君は!そ、そんな失敗なんてするわけないっしょ!
し、心配御無用だっていうのっ!」
「本当かな~?」
「あはは~♪ドロ船に乗ったつもりでドンとお任せないってば♪おっと!
ヌーザのやつ、もうあんな所に!じゃ、シュン君。お留守番とお守りの方、
しっかりと頑張ってねぇ~♪」
「ドロ船じゃ沈むだろうが......本当に大丈夫か、あいつ?なんかマジで心配に
なってきたな......」
僕はニーズの今までの行動を思い出すと、心の底から不安感が増していく。
ま、まぁ、ヌーザが一緒については行くんだ。
ニーズの事を上手くフォローしてくれると信じておくかな。
僕は真面目そうなヌーザに、チャラチャラニーズの舵取りを期待をする。
それからみんなを運ぶべく、運搬準備が整ること、数十分後。
ニーズとヌーザによって、ザッカにみんなを運ぶ出す為の大移動が始まった。




