461話・蒼井、そっちの方もバレていた
「ちち、ちょっと、ニーズさんっ!?あ、あなたは何を言ちゃってくれて
いるのかな!?ぼ、僕は、べべ、別にあの子のパパ、パンツなんて、
いちミリも覗き見なんて、ししし、しては、い、いません......けどぉぉおっ!」
「いや...今さらそんな誤魔化されてもなぁ~。そもそもズズーンちゃんの
屋敷でシュン君と再開するまで、私のシュン君のイメージってヌーザのパンツを
覗いて喜んでいた少年だったしねぇ~♪」
「はぐ!?ヒドッ!ただ少しばかり、目線が一瞬そこに向いただけなのに!」
僕はパンツ覗き魔という汚名を返上するべく、見苦しい言い訳を口にする。
だが、
「ふぅ~ん、一瞬ねぇ?へぇ~そっかあ、シュン君的には一瞬っていうのは
『二十八秒』もあるんだねぇ~?」
「ちょっ!?ニ、ニ、ーズさんっ!?な、な、なんで僕が覗いていた時間が
そこまでハッキリとわかるんですかねっ!?」
ニーズからパンツを覗いていた正確な時間を告げられた僕は、何でそんな
正確な時間を知っているんだとよ、目を大きく見開いて吃驚仰天しまう。
「それはね♪私達竜人族ってさ、そういった感覚が他の種族よりズバ抜けた
種族でね。知らず知らずの内に目線で見たものが頭の中に残っちゃって、
それを記憶して覚えちゃうんだよ。なので、シュン君のパンツ覗き時間も
当然......って事なのさ♪」
――マ、マジでかっ!?
「うぐぐぅぅ!あ、侮り難し、竜人族!こ、これはニーズの前では迂闊な
行動は取れないな......き、気をつけねば!」
僕は困惑した表情を見せながら、今度からはニーズ達...竜人族の前では慎重に
動かねばと心掛けるのだった。
「あ、そうそう。パンツ覗き魔で思い出したけど、ズズーンちゃんの屋敷にて
闘った時のシュン君の行動も勿論、把握しているからねぇ~♪」
「――――な!?」
なんですとぉぉぉおおっ!!?
「だって、シュン君。私と闘っている動きがさ、何か最初に闘った時と比べて
いまいちチグハグしていたから、何でだろうと思ってさぁ?そしたら、
ふとシュン君の目線に気がついちゃってね。「あ。そういえば私、今日は
スカートを履いていたじゃん!」......って♪そこから脳裏に記憶する
シュン君の動きと目線を思い出し、そして思考した結果.......そういう事か
ってねぇ~♪」
「マ、マジか......竜神化といい、凄い種族過ぎだろ、竜人族って。こいつ自体は
マジポンコツなのにな......」
「ちょっと、シュン君!?今さらりとヒドイこと言わなかったっ!?」
蒼井とニーズが談笑に花を咲かせていると、
「コホンッ!おい、ニーズ!いつまで私を放っておいて、二人でだらだらと
喋っているんだっ!」
「――はう!?」
ヌーザが自分の存在を気づかせる為、大きい咳払いをする。
「何を話していたか知らぬが、いい加減その人族に私を紹介せぬかっ!」
そして、ヌーザがニーズ達に近づき、自分の自己紹介をしろと急かす。
「おっと。そうだった、そうだった。んじゃ、シュン君。今度こそ改めて
この子の事を紹介するね♪えっと...この口の物凄く悪い子はヌーザ...
『ヌーザ・アスファル』私と同じくソニア姫様をお守りする騎士なんだ♪」
ニーズは慌てる様にヌーザを自分の横に置くと、蒼井にヌーザの自己紹介を
改めてしてきた。




