460話・ニーズ、堂々とそれを告白する
「ちょ!?ど、どしたのよ、シュン君?独り言をブツブツ言ったかと
思えば、今度は頭を深々と下げちゃってさぁっ!?」
空から蒼井を見ていたニーズが、突如と行われる蒼井の独り言&奇っ怪な
行動に喫驚してしまい、慌てて地面へと降り立つと、急ぎ蒼井のいる所に
駆け寄って行く。
そして蒼井の顔近くまで接近すると、蒼井の向いてる目線の先の地面と
ジィィーと覗き込む。
「......ん?の、のぎゃあ!?い、いきなり顔をそんなに近づけてくるなよ!
ビ、ビックリしちゃうだろうがっ!」
自分の顔近くにニーズの顔が接近させている事に気づいた僕は、驚きと
恥ずかしさでビックリしてしまい、動揺全開の表情を露にしてニーズから
離れる様にズサズザと後ろへ後退りして行き、ニーズから距離を取った。
「ぶう~。何よ!そんなに嫌がる事ないじゃんか!だってシュン君ったら、
いくら話しかけてもボケッとしてて私を無視をするんだもん!それに
いきなり独り言を言ったり、奇妙な動きをするものだからだから、
ちょっと心配になって、声をかけてみたっていうのさぁ~っ!」
「そ、そっか...それはすまなかったな、ニーズ。ちょっとばかり、雑念を
考え込んでいて、意識が疎かになっていたみたいだ......あはは」
ニーズが膨れっ面をしてプンプンと怒ってくるので、僕は本当の事...
ナヒとのやり取りを言うと、もっと話が拗れてニーズの激オコ度数が
上がるかと思い、取り敢えず、当たり障りのない言い訳をしてニーズに
謝罪をした。
「そ、それでニーズ。そっちの方は、あのプライドの高そうな竜人族の
男との決着はもうついたのかい?」
「ふふ~ん、当然♪勿論のロンロンだよ!私の手にかかっちゃえば、
あんなクソ雑魚野郎、余裕のへっぺこぽピーのイチコロ粉砕だっての~♪」
蒼井の問いに、したり顔のニーズが胸を大きくドンと叩くと、
「ほほう...あの九死に一生を得た状況を、お前は余裕とほざくのか?
それにあいつを倒したのは、確か私だったと記憶しているのだが?
さてはて?私の記憶違いだったのかな?」
ニーズの後ろに立っていたヌーザが、ニーズの肩に手を静かにポンと置き、
ジト目で嫌味の込もった辛辣な言葉をニーズに対してこぼす。
「うぐ...!?そ、それはその...あはは......そこはさぁ、私とあんたの協力
プレイで倒したって事でいいじゃん!」
「ふう~ん、協力プレイ......ねぇ」
「そ、そんなことより、ほら!あんたをシュン君に紹介したいから、こんな
くだらないお喋りはここまでにして、さっさと行くよ!」
ニーズが誤魔化すように会話を強引に打ち切ると、ヌーザの腕をグイッと掴む。
「おっと、そうだったな!」
そしてニーズは、掴んだヌーザの腕を引っ張りながら、蒼井の元に移動して行く。
「にゃはは~♪ゴメンね、シュン君。何か話が逸れちゃってさぁ~♪」
「気にしてないから謝らなくてもいいよ。それでえっと...そっちにいる子は
確かあの夜、カトンの町でキミと一緒にいた子だよね?」
「うん、そうだよ♪この子があの夜一緒にい――――ハッ!」
蒼井の質問にニーズが答えようとした瞬間、ニーズは何かを思い出したのか、
突如意地悪な笑みを浮かべ、口角をニヤリと上げると、
「うん、そうだよ♪この子があの夜一緒にいた、私の相棒だよ♪そしてシュン君が
目を大きく見開きながら、パンツを覗き見していた子です♪」
―――――ぶぅぅぅうううぅぅぅっっ!!?
どうどうとパンツを覗いていた事を告げてくるニーズに、僕はビックリして
しまい、思わず吹き出してしまうのだった。




