457話・メイーナのやらかしに、おこの大女神
「はい?通神器...?通神器って、テレパス通神器の事...っすよねぇ?
何でウチから借りようとするんのよ?自分のテレパス通神器を使えば
良いじゃないっすか、自分のをさ?」
「うぐ...そ、それは......ですね。わ、私のテレパス通神器は、今とある
事情にて、手元にはないんですよ......」
「はあ!?な、何で手元にないんっすかぁ!?テレパス通神器は地上の住人に
神託を伝えたり、交信をする為の必須アイテムなんすよぉっ!?」
「し、しょうがないじゃありませんか。だって今まであんなクソアイテム、
私には必要でも必須でもなかったんですもの!」
ですが今はめちゃくちゃ必要で必須な、最優先の重要アイテムなんですけどね!
だからプライドを捨てて、ババアのいる神殿にテレパス通神器を返してもらうべく
乗り込んだというのに...
あのクソババアめぇ!
まったく取りつく島もなく、門前払いを食らってしまいましたわ!
7大女神達が管理している下界、そこの住人達と神託や会話をする為の通信する
マジックアイテム...テレパス通神器を大女神ラナから返して貰えなかった事を
思い出したメイーナは、無念と怒りの入り混じった表情で地面を足で力強く
ドンッと踏み抜くと、心の底から湧き上がってくる激昂なる感情を抑える事が
出来ずに拳をブルブルと震わせる。
そんなお怒りモード中のメイーナをよそに、
「とある事情......?テレパス通神器を持っていない......ねぇ?うう~んっ??」
レベッカが先程述べたメイーナの言葉に何か引っ掛かったのか、それを
思い出そうと、記憶を収まった引き出しを懸命に開けていく。
そして数十秒、記憶の引き出しを開けまくった結果......
「嗚呼!思い出したぁ!思い出したっすよぉっ!た、確か、メイーナの手元に
テレパス通神器がないのは『あれ』が原因っすよねぇ、あれがぁっ!!」
メイーナの手元にテレパス通神器がない原因を、レベッカはやっとこさ
思い出す。
「グラス達が話していたっすけど、中々ド派手にやらかしたみたいっすねぇ~♪」
そして思い出したメイーナのやらかしに対して、レベッカが満面の笑みを浮かべて
ケラケラと笑う。
それと同時に、
「けどまぁ、メイーナの気持ちはわかるっすよ!ウチんとこの管轄のあいつらも
プライドがめっさ高いのか、かなりイライラさせる言動や行動を取ってくる輩が
多いっすからねぇ~。はぐぅう、なんかあいつらの顔を思い出したら、なんだか
苛立ってきたっすぅぅうっ!」
レベッカもまた自分が管轄する連中に不満があるようで、さっきまで見せていた
笑顔からムッとした腹立つ表情へと変わり、その事に愚痴をこぼしていく。
「そこまで苛立つを募らせるのでしたら、あなたも迷わずにサクッと殺っちゃえば
良いんですよ、サクサクって♪そうすれば、きっとスッキリすること請け合いですよ♪」
「い、いや...そ、それは流石に遠慮しとくっす。ラナ様のお仕置きはめちゃめちゃ
激怖っすからねぇ......」
あっけらかんとした口調で断罪しろと言い放ってくるメイーナに、レベッカは
苦笑をこぼしつつ、丁重にお断りを入れる。




