表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
417/481

417話・竜人族の男



「ギャアアァァァ!こ、殺さないでぇぇぇぇぇっ!!」



グルグルに巻きついている光の鎖(ホーリー・チェーン)に身体を引き千切られて

たまるかと、ニーズが身体を暴れ狂わせて必死な抵抗でそこから

脱しようしている。


『ハァ...もう!この小娘は本当に面倒くさいですわね。四の五の言わず、

さっさとこっちに......こいやぁぁぁっ!』


「うげ!?のうわわぁぁぁぁぁ――――っ!?」


ナヒがやれやれと呆れ口調で嘆息を洩らすと、蒼井の元へニーズを

強引に引っ張り寄せる!


そしてニーズが蒼井の元へと引き寄せたその直後...



ズガアァァァァ――――――――ッッ!!!



「へっ!?」


ニーズがさっきまでいた場所...そこに大きな稲光がピカッと光って、

轟音をゴロゴロと唸らしながら雷が落ちてた。


『ふう...間一髪だったわね』


「な、何なの!今の雷は!?た、確かあの方角から落ちたよね!?」


ニーズが落ちてきた雷に唖然とした後、慌てて雷の落ちた方角...頭上に

顔を向けると、そこには大きな何かに股がり、その手には少し大きめの槍を

持った人物が目に映ってくる。


「お前達は一体誰だ?何で俺様の制空範囲(テリトリー)に入ってきた?」


「この鼻につく笑い方としゃべり方。お前はもしかしてザゲナイかっ!?」


「おや?良く見ると、そこにいるグルグル巻きは、ニーズじゃねぇか!」


ザゲナイが被っていたフルフェイスの兜を外し、ニーズを細目でジィィーと

目を凝らすと、目の前にいる人物が見知った人物のニーズだと気付く。


「そんな事よりも、何で貴様がここきいやがるんだ?貴様はガドライド様の

(めい)を受けてザッカの町にいるんじゃなかったのか?」


「うっさいな。こっちにだって、色々都合があるんだよ、都合がね!

第一あいつの命令をマトモに取って、ずっとザッカの町に留まっての

生活なんぞは、自由人の私にはとってもが我慢できないちゅうのっ!」


そんなザゲナイに、ムッとした表情でニーズがガドライドへの不満を

ぶちまける。


「ふん、貴様の都合など知った事か!そんなもんより五竜隊長軍トップの

ガドライド様の(めい)の方が絶対だろうが!それより貴様ぁ、今さっき

崇高なるガドライド様の名を今呼び捨てにしたな?その行為...立派な

不敬罪だぞ、わかっているのか、ニーズッ!」


ガドライドと呼ばれた者の命を無視した挙げ句、軽敬な言葉をニーズに、

ザゲナイが拳をブルブル震えさせ、顔を真っ赤に染めて激昂すると、

ニーズに向けて人差し指をビシッと突き出して叫声を荒らげる。


「はぁ~?バッカじゃないの!あのおっさんを呼び捨てにしたが

どうしたって言うのよ!あいにく私はあんた達ガドライド信者と違って、

あいつの信者でも何でもないし、部下になったわけでもないんだけど?」


叫声を上げて激昂しているザゲナイの態度を見てニーズが「なに言ってんの、

この馬鹿?」という顔をして、心底呆れている。


「な、なんだと、貴様!さっきからガドライド様に対しての不敬な物言いは!

ソニアの御身がどうなっても知らんぞ!」


「......あん?ソニア姫様がどうなっても...?なんで私がガドライドに逆らったら、

ソニア姫様の御身が危険になるのかな?それにあんたこそ、今ソニア姫様を

呼び捨てにしたよね?そっちの方が完全に不敬行為だよね、ザゲナイ?」


ザゲナイの口から出たソニアという女性の名前...そしてそれを呼び捨てした事に、

ニーズの口調と気質がガラッと変わっていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ