表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/481

41話・女神紋


「たっく...腹が立つから、このダーツを殺した魔族を代わりに殺っといたわ!」


「え...そんな理由でですか、メイーナさん!?それって単なる八つ当たりでは...」


「別に八つ当たりじゃないわよ。この魔族はねシュン、そこの娘を殺そうとした

魔族なんだよ?」


「マジでか!それなら良く殺った、メイーナ!お手柄だぞ!」


「えへへ~シュンに誉められちゃったぁ~♪」


蒼井がサムズアップをすると、メイーナは両の頬に手を当てて、相好を崩す笑顔で

喜んでいる。


「でも、そのダーツってのが亡くなっているって事は、これでココは自由の身に

なったって事なんじゃないのか!」


「う~ん、残念だけど、そうはならないんだよ、シュン...」


「え、それは何故なんだ、メイーナ!?」


「その娘の契約が解除されてたってんなら、別なお話だったんだけど...

そうじゃないから...再び奴隷商人に回収されたのち、また誰かへ売りに出される...

これがこの世界の奴隷システムなんだよ...」


「そ、そんな...!?なぁ、メイーナ!それって何とかならないのか?」


ココがやっと、クソみたいな現実から抜け出せそうなのに、それを邪魔する展開を

何とか拒否できないか、僕はメイーナに訊ねてみる。


「う~ん、奴隷紋ってこの世界の劣化種...コホン、人間が作った割には

中々どうして、厄介な仕組みで仕上っているんだよね~」


ちょ、メイーナさん!今、人間の事を劣化種って言いませんでしたっ!?


「ですから、強引に契約を解除しようとすると、最悪その娘の身が持たずに

コロッていう可能性があるんですよ...」


「じ、じゃあ...奴隷紋はメイーナでも解除できないと?」


「そうですね...あ!でも、解除はできないけど、上書きはできますよ!」


「上書き...?」


「はい、上書きです。その娘の奴隷紋を、私の紋章へと上書きしてしまえば、

いいんだよ♪」


「ほ、本当なのか!それじゃココの奴隷紋を、そのメイーナの紋章に変えて

やってくれよ!」


「ええ...どうしよっかな...。あんまり気乗りがしないんですよねぇ...」


メイーナが誰にでもわかる嫌そうな声で、蒼井のお願いを拒否してくる。


「ハァ!何でだよ!」


「ぶう...だってその娘、シュンのファーストキスを奪った相手だぞ!

シュンのファーストキスは、私が貰う予定だったのにさぁ......」


「貰う予定って...大体、あれって救助活動の1つだし...本当の初めてには

カウントしないて言うの!」


だから...初めてのキスとは違うよね...?でもまぁ...ココは可愛いし、それは

それでいいの...かな?


「と、とにかく!お願いだからさ!ね、メイーナ!」


「ぶうう...でもなぁ...」


「嫌いに...なるぞ...」


「へ...?」


「そんな事を言うメイーナなんて...大っ嫌いになっちゃうからなっ!!」


「――――――――――ッ!!??」

 

『めめめ、女神メイーナの名の元に命ずる...傲慢な紋章よ、我の光の中にて

その娘...ココから完全にその紋を消し去りなさい!そして、今ここに新たな紋章...

女神の紋章をココ...貴女に授け入れます...。さぁ!獣人の娘...ココよっ!女神

メイーナの契約の証...女神紋をお受け取りなさいっ!』


蒼井の嫌い発言を聞いたメイーナが、顔面蒼白になりながら、速攻で女神紋の

契約を唱える。


すると、奴隷紋が消え去った上に、上書きされた女神紋が刻まれて、無事に

ココとの契約が完了した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ