表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
400/481

400話・愛野の好きな人、井上の好きな人


「しかし本当、蒼井君の力は凄まじかったよ!危うくみんな

まとめてあの世に旅立っちゃう所だったんでゲスから!」


「あはは...勘違いとはいえ、それはとんだ本当災難だったね...。

でもそっか...本当に蒼井君、無事に生きていたんだ」


クリス王女の話では生存確率はかなり低いだろうって話だったのに...

ホント奇跡ってあるんだね!


「えへへ。でもこの情報を愛野さんが知ったら、感無量しちゃって、

きっと大泣きしちゃうだろうな♪」


井上はいつも蒼井の事を心配していた愛野を思い出し、その瞳を

うるうるとさせて感涙してしまう。


「ゲヘ?あ、愛野さんが...感涙?それは何でゲスか、井上さん?

そりゃ確かに心配していたクラスメイトが無事だったんだから、

喜びはするだろうけどさ?」


井上の言葉を聞いて鈍山が、何で愛野が涙して喜ぶのかと不思議そうに

ハテナ顔で首を傾げている。


「はぁ、やれやれ...。本当、あんたも達也に似て超ニブちゃんだよね!

んなの、愛野さんの態度を見ていれば一目瞭然でしょうが!あれは完全に

蒼井君へ恋しちゃっている乙女だよ!」


「ぶ、ぶひ!?ほ、本当なんでゲスか!?あの学園で一番の人気を謳う

愛野さんがオイラ達の心の親友、蒼井君を好きだと言うのは!?」


井上から告げられる衝撃事実に、鈍山が目を見開いて喫驚していると...


「それは間違いないわ。だ、だってあの子...蒼井君に対して、その...

わ、私と全く...い、一緒と言うか、リアクションを取って...いる

から...さ」


何故愛野が蒼井に好意を持っているか、井上がそれを説明しそうと

した途端、急に指をモジモジし...そして顔が湯気が出そうなくらいに

ドンドン赤くなっていく。


「井上さんと同じリアクション?おお!それじゃ、井上さんも誰か

好きな人がいるって事だね!そ、それは誰なんだい!オイラも知って

いる人物でゲスかね?」


「はうぅぅ!そそそ、それはっ!?」


井上にも好きな人物がいると井上から聞かされた鈍山が、その瞳をキラキラと

輝かせて身を乗り出すと、食いつく様にその人物が誰かを尋問をする。


うう!こ、こいつのあのニヤケよう...まさか、さっき私が鈍感なんて

言ったもんだから、そのお返しをしているのか!?


「ほら、ほら、井上さん。超ニブちゃんのオイラにその相手の事を是非

教えてほしいでゲスゥ~!」


「くぉのぉぉぉ...ドン亀ぇぇぇ!勝負だぁぁぁ!そこに直れぇぇぇぇっ!!」


鈍山が意地悪なニヤケ顔で井上に言い迫ると、テンパり過ぎた井上の思考が

とうとうプチンとキレてしまい、逆ギレに近い激昂の雄叫びを咆哮した後、

両の拳を構えて戦闘体勢に入る。


「ぶ、ぶひぃぃぃぃ!?すす、すいませんでゲスゥゥゥゥ!ちょっとばかり

調子に乗っちゃいましたぁぁぁぁっ!!」


意識が飛ぶ程の凄まじい咆哮に喫驚した鈍山は、叫声を上げて謝罪すると、

井上いる地面の目の前に向けて大きくジャンピングして着地したと同時に

素早く頭を深々と下げ、完璧な土下座を決めるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ