370話・なら、メイーナは?
「.........それでアタシにどうしろっと?」
「武装を今すぐ解除して、俺に全面降伏をしろ!そしてあのガキ達や
怒鬼エルフ共々、俺の奴隷になれっ!」
ココがこちらへ意見を求めきた事で、ズズーンの気が更に大きくなり、
気持ちいいくらいの図々しい降伏条件をココにつきつけてくる。
「.........それがあんたの言い分なんだ?なるほど、よくわかったわ」
「おお。やっと自分の愚かを理解したか!それじゃ、早速そいつらの
奴隷権を俺に返せ!そして、それか―――」
「.........ん?何を勘違いしているの?アタシはあんたの言い分は
わかったって言っただけだよ?」
「へ!?」
急かす様に命令を発してくるズズーンにココが「何を言ってるの、この小肥り?」
と言いたげな表情をして首を傾げている。
「元々アタシ達は、あんたらグリーン貴族をぶっ潰す予定だったのよ。だからさ、
そんな馬鹿な脅しには、なぁ~んの効力もないのよ」
ココの告げた言葉に対し、肯定と言わんばかりにルビとアミュー、そして蒼井が
首を縦へ静かに小さく振る。
「お、俺達四大貴族をぶっ潰すだと!?しょ、正気か、お前達っ!?
この大陸を統べる存在である、俺達四大貴族にたった四人で喧嘩を売ろうと
言うのか貴様達はぁっ!?」
自分達をぶっ潰すとのたまるココ達に、ズズーンの思考が全くついていかず
唖然としてしまう。
「私もズズーンちゃんと同意見なのは嫌だけど、それは無茶だと思うよ...。
何せ、四大貴族の繋がりて、本当エグいくらい半端ないんだから!」
そしてニーズもココ達が行おうとしている無謀な行為に、神妙な面持ちで
やめた方がいいと述べる。
「なら、それごと叩き潰せばいいだけだよ!」
弱気な態度を見せるニーズに、僕は四大貴族達を叩き潰すと宣言すると、
サムズアップをビシッと突き出して、ニヤリと口角をあげる。
「ハァ...シュン君が強いのは直接戦ったから、理解もわかってもいるけどさ、
その行為は流石に自惚れが過ぎると思うよ?」
自信満々のドヤ顔をしている蒼井に、ニーズが呆れ返った表情をして
窘めてくる。
「そうさ、こいつの言う通りだぜ、クソガキ!お前は俺達四大貴族の強大さを
全く理解できていないんだよ!俺達が本気をだせば、あの大陸いちを誇る
ランスロッドでさえ、侵略できるかもしない力を持っているんだぞっ!」
「なら、メイーナは?」
四大貴族がどれだけの規模の存在か、それをズズーンがニヤニヤとした表情で
自慢してくるので、僕はこの問いをズズーンに投げるのだった。




