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340話・次元断裂ソードの威力


ふ~ん。事が事なだけに......ねぇ。


その頼みとやら、是非が意地でも聞き出してみたい気もするけど、

それと同時に聞かない方がいいって気もするなぁ。


さて...どっちの選択が正しいのだろうか?


って...いかんいかん、また優柔不断な考えを!?


これ以上悩んでナヒのお仕置きを食らうのは怖いし...この悩みは

まずあいつに勝って、その後にするとしますか!


んじゃまぁ、そういうわけで...


「攻撃行くぞ、竜人娘!よいしゃぁぁぁっ!!」


僕は気合い共に次元断裂ソードを振り上げ、目の前の空間を斬る為、

振り上げた剣を大きく降り下ろす!


そして直ぐ様、目の前にできた亜空間の中へと飛び込む!


「え、ええぇぇぇっ!?」


ど、どういう事!?目の前で素振りをしただけなのに、シュン君の

姿がパッて消えちゃったんだけどっ!?


目の前から姿も気配も消え去った蒼井に対し、ニーズが目を擦ったり、

瞬きをパチパチと何度もするが、どうやっても蒼井の姿はどこにも

見当たらなかった。


「どこなの?シュン君は一体どこに消えたのっ!?」


蒼井を探す為に、ニーズがキョロキョロと目線を動かして周囲を見渡す。


すると...


「こっちだよ!ここ、ここっ!」


「え!?」


ニーズが蒼井を必死に探していたその時、突如自分の頭上から

蒼井の声が聞こえてくる!


「上っ!?...って、のうわああっ!ち、近ぁぁぁっ!?」


蒼井の声に動揺してたニーズが慌てて目線を上に持っていくと、そこには

ニヤッと口角を上げている蒼井の姿が、目と鼻の先のくらいの近さで映る!


「う、嘘でしょ!?なんでそんな至近距離にい―――キャアァァッ!!」


ニーズはビックリする暇も出来ず、突如現れた蒼井から、背中に向かって

羽根ごと回し蹴りを食らってしまう!


「い、今の蹴りで羽根がやられちゃった!くぅぅ、飛行を維持できない!?

キャァァ!お、落ちちゃうぅぅぅぅっ!?」


羽根をやられた事で飛ぶ事を維持できなくなったニーズが、どんどん地上へ

急落下していく!


「よし!チャンス到来!追撃して、一気に畳みかけるっ!」


僕はメイーナ・ガントレットを起動させ、空中を蹴りあげると、

落下していく竜人娘へ猛突撃して行く!


「ぐのぅおぉぉ!さ、させない...よ!スゥゥゥ――――――――ッ!!」


落下していくニーズが、蒼井に向けてクルッと身体を回転させて正面を向けると、

大きく息を吸い込む!


『食らえぇぇ、竜の業火!火炎の雄叫びぃぃぃぃぃぃぃ―――――っ!!』


そして口をパカッと開き、先程吸い込んだ息を思いっきり吐き出すと、

その吐き出した息が轟音唸る紅蓮の炎へと変わり、蒼井を捉える為、

螺旋を描きながら迫って行く!


「炎にはこれだ!ナヒ、次元断裂ソードをウォーターソードにチェンジして!」


『了解です!』


僕の言葉を聞き、ナヒが素早く次元断裂ソードをウォーターソードに

入れ換える!


「炎の渦よ、僕の目の前から消え去れぇぇ!とりゃぁぁぁ―――――っ!」


僕は迫ってくる螺旋状の紅蓮の炎に向かって、入れ換えたウォーターソードを

クロスに振ると、目の前から激流の如き水の波動が射出され、迫ってくる

紅蓮の炎を完全に描き消した!


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