336話・マジシャンかよ!
くそ!これは大ピンチだな...!
「ホーリー・チェーンでまとめて消し去るか!いや、ここ今で
ホーリー・チェーンを発動させたら、金剛石の腕輪のインターバルに
入っちゃうか...」
正直、ホーリー・チェーンやジャッジメント・サンダーは反撃の
要として残して置きたい。
「んじゃ、ここは基本的な防御で回避といきますか!ナヒッ!」
『はい、わかってます!ウォーターソードの出番ですね!』
蒼井の言葉にナヒが直ぐ様反応し、左手に装備していたシールドを
引っ込め、新たにウォーターソードを転送させる。
『後、これは気休めのおまけです!』
ナヒがそう述べると、蒼井の身体が青く輝いていく!
「こ、これは?」
『それは水と氷の属性をアップするマジックアイテム【万年雪の雫】です。
但し、効果は一時的なものですけどね』
「おお!いいアシストだぜ、ナヒ!それじゃ...おりゃぁぁぁ―――っ!」
僕はナヒに感謝を告げると、僕は円を描く様に身体を回し、四方八方に
ウォーターソードから水の波動を次々と飛ばし、僕へ向かって飛んでくる
ファイア・ブラストにぶつけて相殺させる!
「あらら...私のファイア・ブラストが全て墜とされちゃった!」
へぇ...水の波動による防御か。中々のやり手だね、シュン君♪
「さぁ!そんな感じで、シュン君の力の全てを私に見せてよ♪」
ニーズが口角を上げ、ニヤッとした瞬間、両の羽根がバッと大きく開き、
蒼井との距離をつめる為に猛スピードで接近してくる!
「させるか!そりゃぁぁぁっ!」
僕に突っ込んでくる竜人の娘を返り討ちにする為、竜人の娘に向かって
剣を素早く斬り上げるが、それを余裕の回避で避けられる!
「くそ!これなら...どうだ!」
間を入れず、僕はウォーターソードの波動を竜人の娘に飛ばす!
「おっと、残念。こっちだよ、こっち♪」
「な!この間でそこに移動できるのか!?」
しかし右にいたと思った竜人の娘が気づくと左にいて、僕に向かって
余裕のほくそ笑みを見せている。
『やはり竜神化はやっかいですね。なんとかあの竜人娘の隙を作って、
ホーリー・チェーンで捉えて倒すしかありませんよ!』
「そうだな。正直、あいつに僕の攻撃が当たる気がしないしな......」
本当、右を攻撃したと思ったら、左にいるだなんて...マジシャンかよ!
「ねぇ。何か、シュンの奴、結構ピンチなんじゃない?私達も助っ人に入って、
一緒に戦った方がいいんじゃないかな?」
「それはやめておきましょう。ハッキリいって一緒に戦っても、シュン様の
邪魔にしかならないと思います!」
「うん。それでお兄ちゃんのピンチ度を上げてしまう結果になったら、
後悔後に立たずですから!」
アミューの蒼井を助けようという言葉に、ルビとココが蒼井の足手まといに
なるという理由でその意見を拒否してくる。
「とにかく、私達はこの傭兵達を片付ける事に専念しましょう!」
「うん、そうだね。こいつを生かしておいたら、きっと録な事に
ならなそうだしね!」
「ボクも今まで捉えられた獣人の同じ種族として、断じてこんな連中を
許してはおけないからね!」
蒼井を助ける事は諦めた、アミュー、ルビ、そしてココが目の前の
傭兵達を片付ける為、戦闘を開始する!




