332話・目線をロックする!
「な、なんだ!?二階の方で爆発音がっ!?」
傭兵と戦闘中に突如、屋敷の方から響く爆発音に対し、僕は何事と
ビックリして目線を向ける。
「あはははは!あなた達の実力...見せて頂戴な♪」
『切り裂かれぇぇ!ドラゴンクロォォォォォッ!!』
二階から颯爽と飛び出してきたニーズが、蒼井達に向かってギフト技、
ドラゴンクローをいきなり放ってきた!
「な!?なんだとっ!あ、あれはっ?」
僕は突如現れた人物が放った、刃攻撃に目線をロックしてしまう!
『こら、何が刃攻撃に目線をロックですか!主様の目線は完全露骨に
あの娘のパンツへロックオンしてるじゃないですかっ!』
「ハッ!?おっと、いかんいかん!男のサガが発動しちゃった!」
ナヒに軽く窘められ、ハッと我にかえった僕は、気を引き締めて直し、
迫っているドラゴンクローの刃攻撃を、何とか寸での所で回避した。
「お!あんなギリギリで回避しちゃえるんだ?凄いね、キミ♪」
そんな蒼井に向けて、目をキラキラさせたニーズが感心の拍手をする。
「.........」
「...って、何をボケッと突っ立っているのキミ!ねぇ、聞いている?」
「.........」
「ち、ちょっと、そこのあんた!そんな所でいつまでもプカプカと
浮いていたら、パンツがモロ見えだよ!」
蒼井は元より、他の傭兵達も戦闘を止めて空に浮いているニーズへと
目線をロックしていた。
「...て、シュンもいつまで凝視してんのよ!」
「はう!?」
ちょ!?アミューさん、そんなギュッと目隠しをされたら、パンツが全く
見えないんですけど!?
僕の両の目を激おこ状態のアミューから思いっきり抑えつけられてしまい、
目の前視界が完全に真っ黒へと変わる。
「あ~パンツね♪あははは、ゴメンゴメン。これはスッカリの
ウッカリさんだった......よっと♪」
アミューに軽く注意を促されたニーズが、ニガ笑いを浮かべ
頭をポリポリと掻き、少し引っ張ったスカートでパンツを隠しながら、
羽根を羽ばたかせて地面へゆっくり着地してくる。
「いやいや、相も変わらず、男どもはパンツが好きだよね~。この間もさぁ、
私の相棒の...パンツを覗......って、嗚呼ぁぁっ!?あ、あんたはこの間の少年!?」
パンツを見られた事なんて全く気にもしないニーズが、ケラケラ笑みをこぼし、
顔を前に向けていくと、そこのは見知った人物...蒼井の姿が目線に映り込み、
ニーズが「なんでここに!?」と言わんばかりに目を見開いて驚いている。
「はて、この間??」
僕の事を知っている風に驚く人物を見て、一体どこで知り合ったのかを
思い出すべく、目の前の人物をジィィーと見つめる。
この悪びれない態度、そしてその角と羽根と尻尾、確かにどこかで
見た事があるぞ?
どこで会ったんだ?
それを思い出そうとすると、ヤケにパンツって言葉が思考へと
引っ掛かってくる...
そう...目の前の竜人族...
そして、さっきの上空に見えるは、パンツのアングル......
ハっ!?
嗚呼!?思い出したぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
「お、お前は確か、この間の戦いでガッコのオッサンを殺った竜人娘で、
あのパンツ美女の相方じゃないかっ!?」
ジィィーッと目の前の人物を観察し、思考グルグル回した結果、その人物が
この間のガッコ戦で逃げられたあの竜人族の娘だと気づく。




