33話・質問タイム終了
「か、隠された特殊能力...ですか?」
「はい...」
「それは一体、どんな特殊能力なんですか!教えて下さい!」
愛野は詰め寄る様にクリス王女へと近づき、特殊能力の事を問う。
「ギフトにはですね、『耐性能力』と言う隠れた能力があるんですよ」
「耐性能力...?それが蒼井君の置かれた環境と一体何の関連が?」
「それはですね...愛野様」
愛野の疑問にクリス王女はクラスメイト達にもわかりやすい様に、
ギフトの耐性能力がどんなものなのかを、語って聞かせた。
まず、最初にクリス王女が語ったのは、この世界には色々な異常状態を
引き起こす場所や気象が存在するという事。
そして次に、魔族の罠や魔物の異常状態攻撃の事。
ここからが肝心な話で、ギフトには異常状態を受けてもしばらくすると
それらを回復する機能があると言う事。
つまりギフトを持っていないと、それらの異常状態を食らうと回復する事も
できず、そのまま御陀仏って事らしい。
一応、それらを回復するアイテムや魔法もこの世界にはあるらしい。
だが1文なしでこの世界へ放り投げられてしまった可能性のある蒼井君が、
それを買ったり習得したりする事は至難の技...更に戦う為のギフトも
武器も持ってはいないだろう。
故にそんな蒼井君がこの世界で生き残れる可能性は、殆ど0パーセントに
近い...そう言う事らしい。
「ありがとうございました...クリス王女様。私の質問は...これで
終わります......」
愛野は落胆した表情で、クリス王女に軽く会釈する。
「すいません、愛野様!私の力ではその御方をどうする事も叶いません。
ですが、その御方の情報はこの城の収集力にて必ず集めてみせます!
ですからそんなに落ち込まないで下さい!」
「......クリス王女様。その言葉、期待とさせてもらいますね!」
クリス王女の言葉を聞き、愛野は感謝でいっぱいの表情を見せて
頭を深々と下げる。
......蒼井君、絶対に死んじゃ駄目だからね!
私と約束したでしょう。
ランスロッド国を一緒に見学しようってさ!
だから、もし死んじゃってたらホント許さないんだからねっ!
もう説教だよ、マジ説教っ!
墓の前に立って、毎日3時間の説教を延々と食らわしちゃうんだから!
だからさ...それが嫌ならさ...絶対、生きているんだよ...蒼井君。
その間、私は特訓しまくってメチャクチャ強くなって、きっとキミを
迎えに行くからさっ!
女神様...どうか、蒼井君に幸をお与え下さい...どうかお願いしますっ!
愛野は天を見上げるように顔を上げて両手を合わせると、女神様に
願掛けをするのであった。
――――――――――
その頃、天上界では......
「ハイハイ~その心配は要りませんよ~!幸如き、泣いて逃げ出すくらいの
メイーナ特製の愛情たっぷりアイテムと最強ギフトが、シュンをがっしりと
守りますからね~♪」
それにしてもシュンの奴、意外にモテるのね。
この娘といい、あのギルドの女どもといい...
あ、そうそう、あの屋台とか言う店の女もいたわねぇ。
「く、これはヤバいな。このまま行くとシュンの周りが女でいっぱいの
ハーレムパーティになってしまうじゃん......」
これは近い内、シュンの正妻は私だと釘を刺しに、地上へ舞い降りた方が
良いかもしれないぞ。
でも舞い降りるとして、問題はナナーシュや他の女神の目、特にあのクソバ...
こほん、大女神様の目をどうするかだけど。
さてはて...どうやって、あの連中の目を欺いて地上へと舞い降りてやりま
しょうかしら?
「うふふ...これは楽しくなってきたわねぇ♪」
メイーナはこれからの事を考えるとワクワク感でいっぱいになり、相好を
崩す笑顔を浮かべながらあれこれと作戦を練っていくのであった。




