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319話・お前が獣人の娘か!


「うおっしゃぁぁ!俺達もルビの姉御に続くぞぉぉぉっ!」



「「「「おおおおぉぉぉ――――っっっっ!!!」」」」



冒険者のひとりが武器が掲げて叫声を荒らげると、残りの冒険者達も

叫声を荒らげ武器が掲げる!


「く、くそ...な、何なんだ、こいつらは!?何故グリーン貴族の名を

出しても動じないんだっ!?」


「それは私達が何者にも縛られる事のない、自由な冒険者だからですっ!」


『切り刻め!旋風の風よ!ウインド・カッターッ!』


「グハァァバッ!!」


ルビが魔法を詠唱して腕を左右に拡げると、無数の風が射出され、

近衛兵を切り刻んでいく!


「それに力でくるんだから、こっちもそれに応じているだけだし♪」


『閃空斬ッ!ウリャァァァ――――ッ!!」


「グギャアハッ!!」


そしてアミューもギフト技を発動させ、近衛兵達に斬りかかっていく!


「大体よ、何もしねぇお前達近衛兵に誰が従うって言うんだ?」


「そうさ!この町の平和や安全は俺達、冒険者達が守っているんだぞっ!」


冒険者達もルビやアミューに負けじと、近衛兵達を次々と斬り倒していく。


「おのれ...おのれ...。揃いも揃って、我々に逆らいおってぇぇぇっ!」


「おい!この騒ぎは、一体なんなんだぁぁぁぁっ!!」


近衛兵の隊長が、歯ぎりしをギリギリして激昂していたその時、

地下階段のある方角から怒号にも似た大きな声がギルド内に響き渡る。


「誰だ、貴様......ハッ!?その耳と尻尾......貴様が例の獣人の娘だなっ!」


大きな声のする方角へ目線を向けた近衛兵の隊長が、目に映った人物を見るなり、

人差し指をビシッと突き出してそう叫ぶ。


「ハァ?獣人の娘......?オ、オレがか!?」


流石に自分が娘と呼ばれる年齢じゃないというくらいの自覚はあるので...


「こいつは何を言っているんだ?」


と言わんばかりの表情で、サァジュが戸惑いを見せる。


「そうですよ!第一、サァジュ様のどこをどう見たら、娘って発想が

出てくるのかしら?目が腐ってんじゃないんですかっ?」


「ロナミ...お前の給料30パーセント減給な!」


「――――ッ!!?」


ロナミの言わなくてもいいひと言に、イラッとしてしまったサァジュが、

給料減を宣告すると、ロナミは声にならない叫声を上げ、その目には

ホロッと涙が一滴流れて落ちる。


「うわ!な、なんだこれ!?」


「こ、これは酷い有り様ですね......」


そんな騒動の最中、説教を終えたココと蒼井が一緒に上に戻ってくると、

目の前で繰り広げられている戦闘に目を丸くする。


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