308話・獣神化と言う名のモフモフ
「フンッ!そんなにオレのを見たかったのか?なら、今からその恋い焦がれの
耳と尻尾をタップリと見せてやるぜぇぇぇぇっ!!」
「え?そ、それはどういう......」
「ハアアアァァァァァ―――――ッ!!」
気になる言葉をサァジュが吐いた直後、更に気合いを入れていく!
「くうぅぅ...な、なんて威圧を纏ったオーラなんだ!?」
サァジュさんの雄叫びとともに、威圧のオーラがドンドン広がっていき、
僕は思わずその威圧感に後退りしてしまう。
「ふふふ...お待たせしたな。これが獣人の秘奥義、獣人化だぜっ!」
「こ、これは...っ!?」
威圧のオーラがサァジュさんの周囲から消えていくと、そこに見えるは
シルクの様に滑らかな光沢を放つ、白い毛並みの耳と尻尾が僕の目に
映ってくるのだった。
「ふん!どうだ、ガキんちょ!獣神化したオレの姿はよ?今まで
感じた事のない、とてもハンパのない力をその身体にビシビシと
感じるだろっ!」
「す、素晴らしい...な、何て素晴らしいお姿なんだ...!」
「そうだろ、そうだろ。オレの獣人化はよ、自分で言うのもなんだが、
結構自慢できる姿だと思うんだっ!」
ブルブルと身体を震わせて羨望の瞳を向けてくる蒼井に、サァジュが自分の
獣人化の姿をドヤ顔で自慢してくる。
「ぐふふふ......」
「ん...?ど、どうした、ガキんちょ?いきなり不気味な笑みを浮かべて?」
不気味な笑いを浮かべる蒼井に、ハテナ顔をしたサァジュが近づいた瞬間!
「その耳と尻尾に、思いっきりモフモフさせろやぁぁぁぁぁぁ―――――ッ!!」
「はううううっ!!??」
両の目をキランッと輝かせた蒼井が指をワキワキさながら、サァジュに向けて
大きくジャンプをして、飛びかかって行く!
「こ、この攻撃は絶対に回避しろよと、オレの直感が予感して注意を促して
やがるっ!?は、はひぃぃぃぃいっ!?」
蒼井の奇行動の攻撃を、サァジュの思考が回避しろと頭の中を走ると、
寸での所で攻撃をし、上手く回避した!
「チッ!逃げられた!クソ、後もうちょっとの所だったのに...」
「ゼーゼー、い、今の攻撃はなんだ!?思考が恐怖でいっぱいなのに対し、
殺気も適意がまるで感じられないだなんて......」
蒼井の攻撃を寸での所で回避したサァジュだったが、その肌に
感じている意味不明な恐怖に、顔を真っ青にして恐れ戦いていた。
『ハァ...主様って、本当にモフモフが好きですよねぇ......』
ナヒがやれやれと溜め息を吐くと、蒼井の奇行動に対し、半ば呆れ返った
口調を洩らすのだった。




