299話・反省しています......
「ったく...お前は毎度、毎度、同じ事を繰り返して...」
「す、すいません...反省しています......」
ロナミの暴走はいつもの事なのか、サァジュから手際良くロナミの
頭上へゲンコツが落ちると、その間もなく即座に正座をさせられ、
説教が始める。
「それにお前達もだ!あれ程貴族の怠慢、傲慢を心良く思っていない癖に
何をあいつらと同じムジナをやっていやがる!恥を知れ!」
「は、はい!す、すいません、ギルマス!」
「つい、ロナミのノリに負けてしまい...」
次にサァジュはギルドスタッフに目線を向けると、スタッフ達の職務怠慢を
説教し始める。
「ちょ、あんた、なにをスレッと私のせいにしていているんですか!?」
「ロナミ!」
「ハギャンっ!?」
受付嬢のひとりが発した言葉に、目を見開きビックリして文句を言おうと
した瞬間、サァジュがロナミの頭上に再びゲンコツを落とす。
「うう...!な、何故、私だけ怒られるんですかぁ!?」
こういう場合は喧嘩両成敗なのに、自分だけゲンコツを食らった事に
納得がいかず、愚痴をこぼす。
「しっかし...ホントにすまねぇな!ウチの若いモンが馬鹿をやらかしてよ!
買い取りに少し色をつけるから、それで勘弁してくれねぇか!」
ルビ達に向けてサァジュが両手を合わせ頭を下げると、懸命に謝罪の
言葉を口にする。
「まぁ...あなたには結構、お世話になっているし、私はいいんだけど...」
サァジュの謝罪を受け、ルビは呆れつつも一応許す事にしたが、蒼井と
アミューはどうなのかと、二人に視線を向ける。
「たはは...僕ももういいよ。こいつらを見るに、嘘をつく冒険者が
多かったんだろうしねぇ...」
僕はニガ笑いをこぼしながら、自分達を蔑視してきた冒険者だからこそ、
それもあり得るかもと、ひとまずの納得をする。
「ルビさんとシュンが謝罪を受け入れるなら、私も特に何も反論はしないわ!
ムカつく心は収まっていないけどね!」
そしてアミューが納得いかないって愚痴をこぼすが、取り敢えず、二人とも
サァジュの謝罪を受け入れる事にした。
「そっか!受け入れてくれるか!サンキューな、二人とも!」
蒼井とアミューから快い返答をもらって、サァジュが満面の笑みを
浮かべながら二人の手を取ると、上下に激しくブンブン振って感謝を表す。
だが...これはちょいと凄まじいな...。いくらガラが悪いとは言っても、
こいつらは曲がりなきにも、Bランクなんだぜ。
それをここまで一方的にボコるとは...。
「なぁ、ルビ。やっぱりパーティのリーダーって、お前なのか?」
未だにボコボコにされ地面に転がっている冒険者や、壁に持たれている
冒険者達にチラッと目線を向けると、思わず冷や汗が流れる。
「いいえ、違いますよ。私達のリーダーはあのお方ですわ♪」
そんなサァジュにルビが首を左右に振って否定すると、目線を蒼井に
向けるのだった。




