291話・蒼井達のお仕置きタイム
「そんな訳なので、二度と虚言癖を言えなくなるくらい、その方達から
キッツい、お仕置きを食らっちゃって下さいな♪」
受付嬢が屈託のない笑顔でそう述べると、カウンターの奥へとスチャチャと
引っ込んで行く。
「ちょ!さっき、喧嘩には関与しないって言っていたのに、思いっきり
関与してるじゃんっ!」
ハァ...何なのよ、この受付嬢は...。見た感じ、この子もエルフみたいだけど...
ルビさんと段違過ぎる!
「やれやれ...。どうする二人とも?冒険者は僕が片付けようか?」
「うふふ...ご冗談を♪こんなゴミ如きに、私は遅れなんて取りませんよ♪」
「そうそう...だから、シュンはあのクソ生意気な受付嬢とギルドスタッフ達に、
タップリお灸を据えてやってよ♪」
ルビとアミューが、憤怒全開なのを必死に抑えながら、ニヤリと口角を上げ、
笑顔を見せてくる。
「あ、そうだ。もし受付嬢に情を出して、生半可な仕返しをしようものなら、
私がシュンにタップリとお灸を据えちゃうから、そのつもりでいてね♪」
「右に同じく...です♪」
「はひぃぃぃぃっ!?」
二人の笑顔はとても爽やかだが、その瞳の奥は全く笑っておらず...
僕はその笑顔を見た瞬間...
「了解です、アミュー殿っ!ルビ殿っ!」
...っと、全力な敬礼をビシッと決めて、心良く承諾するのだった。
「そう言うわけなので...このギルドは、メイーナの名の元に修正を
受けてもらいますっ!」
僕はギルド全体にそう宣言すると、腰に下げていた銀のブレスレットの
スイッチを押す!
「なっ!あ、あなたっ!?メイーナ様の名を語るだなんて、虚言で済まされる
LVを越えてい―――――キャァァッ!ま、眩しいぃぃぃッ!?」
蒼井の口からメイーナの名が出た瞬時、受付嬢の表情が見た目でもわかる
くらいの苛立った表情へ変わり、蒼井を説教しようとしたその時...
真っ白の強い光が辺り一面へと広がって輝いていく。
「くうう...!?な、何なんですか、この光は......っ!?」
あまりの眩しさに、受付嬢が左右の手で両目を覆うものの、それでも眩しさを
防ぐ事が全く出来ず...
「ハギャァァァッ!目がぁぁ、目が痛いぃぃぃいぃぃぃ―――――っ!!」
光の強さで両目が半端なく痛み出した受付嬢は、悶え苦しみながらその場を
ゴロゴロと転がっている。
「こ、この光ぃぃ......ぐぬぬ、あ、あのクソガキが原因かぁぁぁっ!?」
「あらあら?どうしたんです?両目を手でお隠しになられて...あ、もしかして
私へのハンデでしょうか?」
「う、煩い!ク、クソ......ど、どこにいやがる、女ぁぁぁぁぁっ!!」
「私?私はここですよ、ここにいます♪」
「こ、この声は、後ろから!?い、いつの間にっ!?」
目を覆って苦しがっている冒険者の後ろに、素早くルビが移動して
肩をポンポンと叩くと、冒険者が慌ててルビの方へと顔を向ける...
「キャ!その汚ならしい顔をこっちへ向けないで下さぁぁぁいっ!」
「な、ちょっと、タン―――――ウギャッ!!」
うっすらと開いた目で冒険者がルビの方へ振り向くと、目の前にしなりをグッと
効かせた拳が見え、その瞬間...冒険者の顔面に思いっきり、拳が叩き込まれる!
「そ...そんなアギョウ...な......ロベェェグッ!!?」
至近距離でルビの拳を顔面に叩き込まれた冒険者は、潰れた鼻からは大量の血が
吹き出し、拳の叩き込まれた箇所の歯は、全て粉々に砕け散り、そして冒険者は
その場にバタンと倒れ込んだ。




