28話・質問タイム
「じゃあ、次はオイラが質問してもいいですか、クリス様!
あ...オイラは鈍山亀男って言います!」
「鈍山様...ですね、それで私にお聞きしたい事とは...?」
「オイラが聞きたいのは...ズバリ、この世界には異人種は
いるんでしょうか!」
「異人種...ですか?それは、獣人やエルフ等の事を言って
いらっしゃるのでしょうか...?」
「ブホ~!獣人いるですかぁ!じゃあ、ネコ耳は...犬耳でも
いいから...いますか、クリス様!」
「はぁ...ネコ耳に犬耳...ですか?その耳と同じ名前の獣人なら、
この世界に存在はしていますね...。猫族や、犬族と言う種族が...」
「ブホホォォ――ッ!ま、マジっすかぁぁぁ―――っ!
異世界バンザァァァァ――――――――イィッ!!」
「あ...はは...。ゆ、勇者様に喜んでいただき、私も嬉しいです......」
勇者好きのクリス王女でも、鈍山のテンションにはついていけず、
ただただ、ニガ笑いを浮かべる事しかできなかった。
「んじゃ、次は俺の質問を聞いてもらおうか王女様!ちなみに、俺は
奥村大地って者だ!よろしく頼むぜ、クリス様!」
「はい...よろしくお願いしますね、奥村様」
「奥村様...名前を様付けされる事がないんで、何かこそばゆいな...へへ」
「直に馴れますよ奥村様。それで、私への質問とは、一体どんな事なので
しょうか?」
「おっと、そうだった...コホン、俺が聞きたいのは...ズバリ!魔王とは
どんな野郎で、この世界に何を仕出かしたのかって事だ!」
「魔王の事を...ですか...。そうですね、ひと言では言い表せませんが...
魔王はこの世界にとって強大な敵で、今この時にも私達の大陸を支配
しようと虎視眈々と、こちらの領地を狙っている存在です...」
「虎視眈々と...ねぇ。こう言っちゃいけないんだろうけどさ、魔王が
この大陸を支配しようってのは、生物の持つ弱肉強食からきてる事で...
それは自然の流れとしてはしょうがないんじゃないのか?」
「そ、それは...!?」
「大体、このランスロッド...だっけ?ここだって、そうやって大きくなった
国なんじゃねえのか?」
「た、確かに...奥村様の言う様に、このランスロッドもそうやって
大きくなった国です...ですが、私達は他の国や大陸に圧政や支配など
してはいません!私達は...この国を作った先代達は、この大陸を
誰でも住みやすい所にしてきたつもりです!いくら勇者様でも、
それを汚す言葉は許しせんっ!」
クリス王女はさっきまでのおしとやかな口調と違って感情を露にし、
食い入るような瞳で奥村をじっと見ると、長々と熱弁を振るう。
「す、すいません、クリス王女様!こいつは言いたい事と聞きたい事を
質問しただけで、別にこの国の事を貶したり、支配を受け入れろとか
全然、思っていませんから!ほら、大地もクリス王女様にお詫びを入れろ!」
光牙院が奥村の後頭部を後ろから掴むと、強引にクリス王女に向けて
頭を垂れさせる。
「す、すまねぇ...王女様!俺は言いたい事はつい、空気を読まずに
言っちまう性分でさ...だから隼人の言う通り、別に支配されろなんて
ちっとも思ってないからな!むしろ逆で、俺の気持ちはこの世界を
支配しようと企んでいる魔王の野郎をぶっ飛ばす気合いで満々だからよっ!」
「私達の世界の為にそんな気持ちでいて下さったのですね...それなのに、
私は奥村様になんて事を...!すいません奥村様!先程の失態をなんと
お詫びを申し上げて謝罪すれば......!」
「い、いいよ、別に謝罪なんてよ...。俺の方こそ、あんたの気持ちを
無視した言葉を言っちまったんだ...だから、これ以上は謝るのは
お互いなし...それが謝罪って事で...な!」
「ハイ...ありがとうございます、奥村様!」
「お、おう...!」
クリス王女のうるうるした瞳にドキッとした奥村は、自分が柄にも
なく、照れている事に戸惑いを見せるのであった。




