226話・シュンに気づかせるには...
「嫉妬でゲスか...。オイラからしたら、可愛い幼馴染二人と漫才な日常を
繰り広げてる磯下君と幼馴染ーズの方が充分、嫉妬の対象だけどね...ゲヘェェ...」
鈍山がイチャイチャしている磯下と緑川の二人を見て、呆れ口調でそう述べると
深い嘆息をこぼす。
「磯っちはきっと、隣の芝生は青いって言う、自分にブーメランな言葉を
知らんチャロ...」
マーガレットも磯下達を見て、頭の中に浮かんだ言葉が口からこぼれる。
「と、取り敢えず、その話はそこまでして...。瞬君かどうかの確認は、
言い出しっぺでもあるオイラが確認してくるよ......」
「お、おい!本当に大丈夫か!実は間違いでしたってオチもあるんだぞ!」
「そ、そうだよ、鈍山君~。もしそうなったら、きっと瞬殺されちゃうよ~!」
「ゲヘ!?そ、それは...」
磯下と緑川の困惑して述べる、勇み足にならないかという言葉に、鈍山の足が
ピタッととまる。
「ならさ~カウンターで伝えてみるってのは~どうかなぁ~?」
「カウンターで伝えてみる?」
緑川の提案する作案を聞いて、マーガレットがハテナ顔をしている。
「うん。まず、あっちに攻撃させてから~こっちに近づいてきた瞬間に~
私達が蒼井君へ呼びかけるのよ~!」
「そいで私達の声にあの白銀野郎が反応し、動きをとめたら蒼井っちで
ほぼ確定って事ヤネッ!」
「うん、そう言う事~!」
緑川の作案の説明し終えるとドヤ顔をして、サムズアップを決める。
「で、でもよ、それってかなり危険じゃねぇのか?」
磯下は先程の蒼井の攻撃っぷりを思い出し、顔色が真っ青に変わる。
「危険やろうが、やるしかなかバイッ!もしあいつが敵やったら、倒すしか
なかバッテン!ばってん、もしあいつがドン亀っちの言う通り蒼井っちやったら、
戦わんでもよかごとなるし、御の字じゃロウガ!」
「そ、そうだな...リリ王女救出の為には、結果あいつらをどうにかしないと
いけねぇんだったな!」
マーガレットの気迫に圧されつつも、磯下が自分達の目的を胸に刻み込むと、
拳に力を入れ、天に突き上げて気合いを入れ直す。
「ん...な、なんだあの連中、こっちを一斉に見始めたぞ!?」
「あれは決意を決めた顔つきですね...。これはこちらも油断しない様に
気合いを入れなければいけませんね、シュン様!」
「ああ、あの盗賊連中からリリちゃんを守る為にも...ここで判断ミスを
しないように心がけなきゃ!」
ルビさんが喉を鳴らし緊張感を見せるその姿に、僕もその緊張感に当てられて
気合いを入れ直す。