213話・メイーナの赤い紋章
「それだけ修復完了していれば充分だよ!後は...ガントレットは
いらないから、剣と盾を選ぶだけだね♪」
そうだな、剣の方は疾風の剣でいいかな...中々、使い勝手がよかったし...。
それで盾の方は、吸収の盾...
あ、そっか...あれは流石にまだ直ってないんだっけ...。
「ねぇ、ナヒ。多人数と戦う為の何か良い盾はないかな?」
『多人数を相手にする盾ですか.........ちょっと、待って下さい!』
蒼井の理想の盾がないか、ナヒがマジックボックス内を検索する。
『ふむ...ふむ...これが...いいですかね。その名も【ロック・シールド】!』
「ロック・シールド?岩の盾って事かな?」
ナヒの選んだ盾、ロック・シールド...。まんまの意味なら、そう言う事...
だよね?
『生憎ですが、全然、全く違いますよ。ロック・シールドは相手の攻撃...
そのターゲットをこの盾に強制ロックする事ができるんです!』
「あ...そっちのロックね...」
僕はナヒの説明を聞いて、なるほどと僕は軽く相づちを打つ。
「よし、これで準備は整った!それじゃ...いくよ!」
僕は腰に下げている銀のブレスレットのスイッチを押すと、身体全体が
白く輝き、光のベールがその身を包み込む!
「キャッ!シ、シュン様が白い光に包まれ......うぅっ!?」
強く輝くあまりの光の眩しさに、リリが腕を目に持っていき、目に入る光を遮う。
「い、今の光は、一体何が起こって......って、えぇぇっ!シ、シュン様...!?
そ、そのお姿は...カ、カ、カッコいいですわっ!?」
光が和らぎ、リリが目を開けると、そこに映る蒼井の姿...メイーナ・シリーズを
装着している蒼井の姿に、リリの表情がポーッとなって恍惚へと変わっていく。
「それにしても、その白銀の鎧...なんて美しいん――」
ん...!?
「ち、ちょっと、シュン様!?そ、その鎧の中央に刻まれている紋章って、
もしかして、メイーナ様の『赤い紋章』じゃありませんかっ!?」
リリが白銀の鎧の中央にあるメイーナの紋章を見つけると、その衝撃に
目を見開き、紋章を差した指がブルブルと震えている。
「赤い紋章...??」
「メイーナ様の赤い紋章...。メイーナ様がお認めになられた者しか使用する事を
許されない神聖な紋章...。例え、勇者様でもです。もしそれをメイーナ様の
許可なく使用した者は、如何なる者でも黒い裁きの雷にその身を浄化されると
言われているんですよ!」
リリが動揺全開な表情で、メイーナの赤い紋章の曰くを詳しく語ってくれた。
「そんな神聖な紋章をつけて...だ、大丈夫なのですか?」
そしてリリが、その赤い紋章をつけている蒼井の事を、とても心配そうな
顔をして、ジィィーっと見つめてくる。