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208話・竜人族と知り合いなの?


「え?わ、私が盗賊に掴まったわけですか。それは...ですね、ここより

少し離れた所にある『ナイッチェ』という学園のスポンサーを我が城、

ランスロッドがしておりまして...」


「ナイッチェ学園...。確かそこって、騎士や戦士とかが通う学園だよね?」


「はい。そのナイッチェ学園へお父様から勅命を受けた私が、視察と交流を

目的に向かっている最中だったのですが、その途中で......」


「盗賊に捉えられてしまったと...」


「はい......」


ナイッチェ学園へ移動中、盗賊に掴まって人質になってしまった事を、

リリが頭を垂れ、しょんぼりしてしまう。


「私を護衛して下さった勇者のみなさんも、何とか頑張って健闘していたの

ですが...なにぶん、この連中の仲間...竜人族の女が強くて、強くて...」


「竜人族の女!?も、もしかしてそいつら...ニーズか、ヌーザって、名乗って

いませんでした?」


リリ王女様の口から出た竜人族の女という言葉を聞いて、僕はあの夜の二人の事を

思い出し、そいつらとリリ王女様のいう竜人が同じ人物かどうかを訊ねてみた。


「あの時の竜人族女の名前ですか...?うう~ん、盗賊達の中で一番偉そうな人が、

あの竜人の女の事をヌーザって、呼んでいたような...?」


リリが首を傾げて懸命に竜人族女の名前を思考すると、何とかあの竜人族女の

名前が頭の中に浮かんでくる。


「ヌーザ...」


確かヌーザって、パンツが見えてラッキーだった、竜人族の美人さんの方だよね?


『ハァ...主様、何て情けない覚え方をしているんですか...。だから、もうひとりの

竜人族にパンツ覗き魔って、言われてしまうんですよ!』


「はうっ!?」


ナヒの心ない一言が僕の心をショックに落とし、その身体を石化の如くカチカチに

固めてしまう。


「え...何々?シュンって、そのリリ王女様の仰っていた竜人族の女と、もしかして

知り合い...なの?」


「イヤ、全然、知り合いじゃないよ?」


アミューの述べる言葉を、僕は首を左右に振って完全否定する。


「でも、知り合いじゃないって言っている割りに...その竜人族の名前をしっかりと

覚えているじゃんかっ!」


アミューが何を疑っているのか、否定している蒼井の顔をジィィーッと睨んでくる。


「本当に知り合いじゃないってば!大体、あの夜にアミューにも話しただろう?

女二組の竜人族が、あのガッコとの戦闘中に現れた話をさ!」


未だに疑いのジト目でアミューがこっちを見てくるので、僕は慌てて昨日話した

二人の竜人族の事を、手振りを加えて思い出せる。


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