192話・ゲットンへの道の説明
カトンの町を出た僕達は、数キロ歩いた場所にある、道の分岐点に
いた......。
「ん...ここに道案内表記が置いてあるね...。どれどれ...ふむふむ...
あれ?ゲットンの町の事が書いてないな?」
いくら見てもゲットンのゲの字もその道案内書いていない事に、
僕はハテナ顔で首を傾げる。
「そりゃ、そうだよ。ゲットンの町がここからどれだけ離れてると
思っているのよ!ここからあの町の距離は、少なく見積もっても
ここから歩いて、20日前後はかかるわよ!」
「ええ!そ、それじゃ、この食料の数で足りないんじゃ?」
僕は20日かかると言われ、先程市場で購入した食料をジッと見る。
「それはちゃんと計算に入れているから大丈夫ですよ、シュン様。
ゲットンの町へ行くには、まずこの道をずっと北東に歩いて行くん
ですけど、その先にザッカと言う町がありまして、そこで休憩と
新たな道具を購入する予定ですから!」
蒼井が食料の事で焦っていると、ルビさんが次の町の事を優しく
説明してくる。
「それにもし食料が足りなくなっても大丈夫ですよ、お兄ちゃん!
そうなったら、森等で食料調達をすればいいだけの話だから♪」
ルビの横にいたココが、もし食料不足に陥ても最終手段がある事を
ドヤ顔で尻尾を振りながら蒼井に述べる。
「はは...しかし、何日もかかる場所を求めて旅をする...か。あっちの
世界では、到底考えられなかった行動だよな...」
『そりゃ、そうでしょう。だって主様、家からテコでも動かない
タイプだったですものね...』
「たはは...確かに僕って、そうのタイプだったね♪」
ナヒの呆れ口調を聞いた僕は、そう言われればとニガ笑いが口から
洩れる。
「ん...何をぶつくさ言ってるのよ、シュン?」
「あ、ゴメン、ゴメン!ちょっと考え事をしてた。それじゃ、そろそろ...
その、ザ、ザ、ザッタの町だっけ?」
「ザッカよ、ザッカの町!」
町の名前を間違う蒼井に、アミューが正しい町の名前を教える。
「ああ~はい、はい。ザッカの町だったね!その町の向けて移動しようよ!」
「そ、そうですね。ザッカの町のその途中にある【六角の荒野】は
取り敢えず抜けたいですしね!」
「六角の荒野?ルビさんがそこまで神妙な顔になるって事は、何かで
そこに問題でもあるんですか?」
神妙な面持ちをしてそう語ってくるアミューに、蒼井がハテナ顔をして
問いかける。
「はい。あそこは六角形の形をした岩の柱が沢山連なっている場所なの
ですが、その地形を利用した盗賊達が良く出没するんですよ」
「盗賊が...?」
「日の出ている内はあの程度の連中は、何とでも対応はできるんですけど...」
「うん、そうだね。あいつら...夜になると、ちょっと...イヤ、かなり面倒な
相手に変わっちゃうからね...!」
蒼井の問いかけに、アミューとルビが代わるがわる、答えていった。