178話・ガッコの最後の足掻き
「グヌヌ...ナ、ナンダ、ゴノカゼノウナリハ!?クソ、ガイヒジテ、
ガイヒジデェェェェェ―――――ウギャアアアッッ!!!」
閃光弾で目が見えないガッコが、蒼井の放った風の刃の気配を察知して
回避しようとするも間に合わず、ガッコの身体がXの字に斬り刻まれる!
「ヴガガガ......バガナ......ソンナ、ゾンナバガナァァァァッ!?」
『今です、主様!魔導キャノンをあいつから切り離して下さい!』
「うん、わかった!」
ナヒにそう言われ、僕は魔導キャノンをガッコから切り離そうとした
その時......
「ゴウナレバ...コノマジヲ、コナゴナ二...ジテグレルワァァァァァ!!」
ガッコが怒り狂った様に叫声を荒らげると、魔導キャノンを町の方角へ
向けて、今にも発射しようとしている!
「あ、あのオッサン...!最後までクソ野郎だなぁぁぁ!!」
『あ、主様!何をしようとしているんですか!?』
「決まっているだろう!この魔法の鎧でビームを受け止めるっ!」
僕は魔導キャノンのビーム口の前に素早く移動して立ち塞がる!
『む、無茶ですよ主様!いくら魔法耐性が2倍になっているとしても
直撃すれば、かなりのダメージを受けてしまいます!』
「だろうね。だけどさ...あそこにはアミュー、ココ、そしてルビさんが
いるから...ここで逃げる訳にはいかないかな!」
ナヒの心配に僕はニコッと微笑みを返し、自分の思いを口にする。
『しかし、主様!』
「それにもう時間もないみたいだしね...」
ガッコの方に僕が指を向けると、魔導キャノンのビーム口が光を
放っていて、今にもビームが発射されそうになっている。
「じゃ、ナヒ。後のフォローをよろしくね!」
僕がそう言葉を発した瞬間、魔導キャノンのビーム口が大きく光輝き、
ビームが発射される!
「オッサン...僕もただでは殺られないよ!ウリャァァァッ!!」
僕は剣を振りかぶり、ガッコ目掛けて弧を描く様に風の刃を上空へと
撃ち出した!
「フンッ!?ドゴヲネラッテ......ナニィィ!?ジ、ジマッ――」
蒼井の撃ち出した風の刃が、魔導キャノンを装備しているガッコの腕に
直撃すると、その瞬間、魔導キャノンが爆発する!
「ギャァァァッ!ウデガァァァ!ウデガァァァ!!イダイイダイィィッ!!」
「後はこのビームを......ウグググググゥゥゥ――――ッ!!」
ガッコが撃ち出したビームを、僕はその身体で受け止める!
ビームを直撃する事によって、魔法の鎧の至る所にヒビが入っていき、
そのヒビが破片となって砕けると、ボロボロと音を出して地面へ落ちていく...。