177話・隙を見ての一撃
「さて...これで吸収できる回数が、あと残り1回しかできなくなって
しまった...。これで一気に勝率が落ちちゃったな...」
僕は吸収の盾を拾い上げ、現状態を確認しつつ、暴れて狂っている
ガッコへと視線を向ける。
「グルル...ギャハハハァァァッ!!」
「あの野郎...あれだけ暴れているのに、まだ元気がいっぱいだなぁ...」
『主様、あいつを殺る気なら、さっさとした方がいいですよ。残り時間が
1分を切りましたし...』
1分を!?クソ...ヤバいな、どうすればいい...どうすれば、あのビームを
回避して奴を倒せる...あのビームを......
ん...?ビーム...光......?
「そうだ!あれがあれば、何とかいけるかも!なぁナヒ、もしあれが
あったら、直ぐに用意してよ!」
『あれですか...あ~あ、はいはい、ありますよ。それなら...はい、
受け取って下さい!』
蒼井の注文のするアイテムを、ナヒが即座に思考を読み込むと、
素早くマジックボックスからそれを射出する!
「これがそうなんだね♪」
『はい、注文通りの品ですよ。あ、使い方は......』
ナヒが蒼井の注文したアイテムの使い方を教えてくる。
「よし!使い方もわかった事だし...んじゃ、ラウンド2...行ってみようか!」
『これでやれなきゃ終わりなんですから、ドジをこかないで下さいね!』
気合を入れて突進しようとする蒼井に、ナヒがテンションのだだ下がる事を
口に出す。
「だぁ、そこは嘘でも頑張って、とか言ってくれないかな~!」
ナヒのその言葉に対し、僕は目を細めて軽く注意する。
『い、嫌ですよ!何で私が主様如きに...頑張ってなんて言わ――』
「ギザマ...ナニヲビトリデ、ゴチャゴチャトヌガシデイルゥゥゥッ!!」
ガッコの目がキラッと光ると、ナヒと会話していた蒼井に向けてビームを
発射してくる!
「もう当たるかよ!そんなへなちょこ攻撃なんかにっ!!」
僕は上手くビームの軌道を読んで、ギリギリの所で交わしていく。
「ナラ...ゴイヅノゴウゲギナラ......ドウダァァァ―――ッ!!」
ビームを避けている蒼井を魔導キャノンのスコープがロックオンすると、
連発でビームを発射してくる!」
「く...連弾か、あんな化け物になっている癖に、頭を使った攻撃をっ!」
僕は自分を狙ってくる魔導キャノンのビームを、吸収の盾を素早く構えて
何とか防ぐ!
「ギャハハハハハッ!ドウジダァァァ!キザマノタテニ、ヒビガハイッテ
キタゾォォォ!!」
「よし!今だぁぁぁ!!うりゃぁぁぁぁ――――っ!!」
ガッコが下卑た笑いをする為に、目を大きく見開いた瞬間を狙って、
先程ナヒの頼んでいた切り札のアイテム......【閃光弾】をガッコの
目の前に投げつけた!
「ギヤアアアアアアッ!!メガアアアァァァッ!メヴガアアアァァァ!!」
目を大きく見開いて高笑いをしていたせいで、ガッコが思いっきり
閃光弾の光を食らってしまう!
「これでお仕舞いだぁぁ!ガッコぉぉぉ!疾風の斬激ぃぃぃぃぃっ!!」
僕は力の限り、疾風の剣をXの字に振ると、それが風の刃へと変わり、
そして素早いスピードでガッコに向けて飛んで行く!




