174話・魔導アイテムに取り込まれる
「まぁ、いい...転んだ今が追撃のチャンス！続けていくぞぉぉ！
突撃だぁぁぁぁぁぁ―――っ！！」
僕は大地を蹴り上げて空中を飛ぶ様に大きくジャンプすると、
転んでのたまわっているガッコ目掛けて突撃する！
「ぐぬぬ...させるか、ボケがぁぁぁっ！！」
転んだままの体勢でガッコが、魔導キャノンを蒼井に発射してくる！
「それは食らわないっ！てりゃぁぁぁ―――ハアッ！！」
自分に目掛けて飛んでくる極太ビームを、疾風の剣の風の刃で真っ二つに
切り裂いた！
「うげげげえぇ！？そ、そんなバカな！？ビームを切り裂いただとぉぉぉ！？
そんな訳あるかぁぁ！この、この、この、この、このぉぉぉぉっ！！」
ビームを切り裂かれて信じられんとガッコが、何度も何度も魔導キャノンを
蒼井に発射するが、その全てのビームを切り裂かれてしまう！
「ああ...あああ...バ、バカな...！？あの野郎、避けるどころか...ビームを
全て切り裂いて突撃してくるだとぉぉっ！？」
「終わりだぁぁぁ！ガッコぉぉぉぉ―――っ！！」
全てのビームを切り裂いた僕は、驚愕して動揺しているガッコのギリギリ
正面まで近づくと、とどめの一撃を放つ為に疾風の剣を大きく上に
振りかぶった！
「や、やられる！？この俺様が...このエリートの俺様が、こんな訳の
わからない奴に、訳のわからない殺され方をするというのかぁぁぁっ！！」
そんなもの...そんなものなんぞ.........
「ミトメルカァァアアガッガガガァァアァァ―――ッ！！！」
『あ、あれは！？い、いけない主様！急いで盾を前に出して防御してっ！！』
「えっ！？」
『えっ！？...じゃない！四の五の言わずにさっさと防御しろぉぉぉっ！！』
「なうっ！わか――」
切迫感口調で命令するナヒの言う通りに、僕は急ぎ慌てて持っていた盾を
目の前へ持っていき、防御の構えに入った！
「クダバレェェヤァァアァァァァァ―――ッ！！」
蒼井が防御に入ったその瞬間、ガッコの口から魔導キャノンと似たビームが
発射される！
「うう...く、くそぉぉ...お、重い...ぐぬぬぬぬぅぅぅ―――――ッ！！」
ナヒのおかげで何とかビームの直撃を盾で受け止めると、吸収の盾が
魔導キャノンのビームを、何とか全て吸い込んだ！
「ふう...あっぶねぇ...！ナヒの指示がなかったら、完全に直撃を受けていたよ！」
ガッコから距離を取って身を構えながら、額に掻いた冷や汗を手でソッと拭う。
「グルルル...クソ、クソ、オレザマノゴウゲキヲォォヨグモ、ヨグゥモォォォ
ヨケヤガッダナァァァァァッ！！」
目の前にいるガッコの姿がドンドンと変わっていき、その目の色は赤く変異し、
牙が長く生え、そして背中の黒い羽根がガッコと融合していく......
「うわ...何あれ？オッサンの見た目がドンドン、豹変していくんですけど...！？」
その代わりゆくガッコの姿を見て、僕は目を丸くして困惑しながら喫驚するの
だった。
